第29話

第26章
386
2020/12/13 16:18
ーーーーー side Natsuki.S


ふと、そこで気になることがあった



澤夏
澤夏
あの、涼太さん。
涼太
涼太
ん?
澤夏
澤夏
どうして、僕だけに話したんですか?



そう、本当なら皆に悪魔の存在のことを話していいと思う
なのに、何故、俺だけに話したんだろう



涼太
涼太
・・・龍友君から聞いた話なんだけどね
悪魔には厄介なものがあるんだ。
澤夏
澤夏
厄介なもの・・・?
涼太
涼太
災いを振り下ろす。
澤夏
澤夏
?!
涼太
涼太
黎弥の話を聞いていた時に
龍友君から聞いた話の一つを
思い出したんだ。
悪魔は天使が一番大切な存在もの
見つけたことを知った時、天使を
苦しませる為に災いを起こさせるんだ
それの始まりが、一番最初に
出会ってから、その後も天使とずっと
一緒にいる人間から先に目をつけて
天使の目の前で災いを起こすらしい。



涼太さんからの話を聞いてから思い出した

黎弥が天使としてこの世界に来て
一番最初に出会ったのは
黎弥が天使だと一番最初に知ったのは


俺だ


そして、出会った日から一緒にいて
世界さん達と夢者修行をしていたとき

あの事故が起きた

・・・それじゃぁ
俺が怪我をしたあの事故が只の事故ではなく
悪魔が振り下ろした災いだとしたら・・・



澤夏
澤夏
僕は、悪魔に狙われた・・・?



悪魔が天使である黎弥を苦しませる為に・・・?



涼太
涼太
でも、黎弥は澤夏を助けた、でしょ?
澤夏
澤夏
・・・!
涼太
涼太
龍友君もそうだったんだ。龍友君が
天使だと最初に知ったのは僕。
それが悪魔に狙われて災いを受けた
声を失っちゃったんだ。高熱によって
だけど、龍友君は羽根の力を使って
僕の声を取り戻してくれた。
それとは反対に龍友君は倒れた。
それ以来、僕は力になるって
決めたんだ。メンディーさんに羽根の
力全部使ったのは驚いたけど。
澤夏
澤夏
・・・同じ・・・
涼太
涼太
そう、だから澤夏にだけ話したんだ。
経緯が僕と龍友君に似てたからね。



俺と黎弥
涼太さんと龍友さん

出会い方も経緯も全て似ている

きっと、涼太さんの耳にある蝶の形をしたピアスは
黎弥の羽根の一部が姿を現した星形のネックレスと
同じように、龍友さんの羽根の一部が蝶の形をした
ピアスとして生まれて涼太さん達の元にあるんだ

そう考えて理解すると、守りたいと強く感じた



澤夏
澤夏
・・・涼太さん。
涼太
涼太
ん?
澤夏
澤夏
俺、黎弥を守りたいです。
時々、相談してもいいですか?
涼太
涼太
・・・!
もちろん、何時でものるよ。



同じ境遇なら、お互いに協力していきたい
涼太さん達は、龍友さんを
俺達は、黎弥を守るために・・・


悪魔だろうと、なんだろうと

絶対に負けないから


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