「お母さんの緊急手術が終わりました。」
「なんとか一命は取り留めてますが、もって3、4ヶ月かと…」
「肝臓を移植すれば助かります。」
医者から告げられた結果はあまりにも残酷だった。
3、4ヶ月だと?
はっ、ふざけんなよ
でも俺の肝臓を移植すればいい。
そうすりゃ、母さんは助かるんだから。
「あいにく、あなたの肝臓は移植できません。」
「お母さんは、O型の特殊な血液型です。移植には血液型の一致が絶対。あなたは適合しません。」
「いるにはいますが…」
「『家族』でないと、移植は認められません。」
俺は返す言葉ですら見つからなかった。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。