あなた side
「貴方には、才能があるのよ。先生もそう仰っていたわ」
「レッスンは1日休んだら、取り戻すのに3日かかるのよ。毎日やらなくては駄目よ」
「ピアノが弾けなくなるでしょう。指を怪我するような事はしてはいけません!」
子供の頃から言われ続けた事
物心ついた頃から……私は当たり前のように毎日ピアノの前に座っていた
ピアノは嫌いじゃない
でも……ピアノ以外の事もやってみたかった
____________特にスポーツ…
せめて体育の授業だけでもやらせてもらえるならば、それで良かった
ドッジボール、バスケットボール、バレーボール……
指先を使って怪我をしたら、ピアノが弾けなくなるから……そんな理由で子供の頃から"禁止"されていた。
一度だけどうしても我慢できなくて、公園で友達とドッジボールをやって突き指をしてしまった
その時のお母さんの顔。最初は怒っていたけど、だんだん悲しそうな顔になって……
最後には涙を流しながら「何で、お母さんの気持ちが分からないの……どうして分かってくれないの……」そう言われた時
____________もう二度とお母さんを裏切ってはいけない。悲しませてはいけない。
そう思った……
それからは、お母さんとの約束をずっと守っている
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。