さて、どうすればいいかな……
ヒントに気付ければ、問題を解く力はありそう
ならば……
取り敢えず、双子用に各教科のポイントをまとめたノートを作ってみる事にした
公式の使い方や、文章を読み解くヒントをまとめてみる
『〜♪〜♪〜♪』
机の端に置きっぱなしにしてあったスマホが鳴り出した
侑『今、何してるん?』
部活が終わった時間……にしては遅い時間。侑くんからLINEが届いている
時計を見上げながら返信をする
あなた『侑くんこそ、今、何してるの?』
侑『俺は勉強しとったで!』
例のブサ可愛キャラが机に座っているスタンプが送られてくる
ふふっ…、このキャラクター好きなのかな…
あなた『今、侑くんと治くんにポイントをまとめたノート作ってたよ』
ちょっと休憩…と緩くなってしまったココアを一口飲む
スマホを片手にソファに座る
侑『マジで?!ほんまおおきに!あなたは家庭教師みたいやな!!』
あなた『いや、それは大袈裟だよ……でも合宿にちゃんと参加してほしいからね』
あれ……私何か変な事言ったかな?
さっきまでは"秒"で返事が来てたのに、突然侑くんからのLINEが途絶えた
暫く待ってみたけど、やっぱり返事は来ない
寝ちゃったのかな?
そう思って再び机に向かって座り直す
『〜♫〜〜♪〜♫〜』
今度は着信を告げる音楽がスマホから流れ出す
あなた「もしもし…どうしたの?侑くん。LINEが途絶えたから、寝ちゃったのかな?って思ってた(笑)」
侑〈LINEしとったら、あなたの声が聴きたくなってもうた〉
「ゴホン…」と咳払いしながら、侑くんは予想外の言葉を口にする
あなた「……えっ?!」
……え〜っと…、1人で勉強してて"寂しかった"って事かな…?
侑〈……あ、いや…
べ、勉強教えてくれるお礼言いたなって…〉
あなた「あ、うん。そんな…お礼なんていいよ。私の勉強にもなってるわけだしね」
侑〈おん。そっか……そやけど、やっぱr____________
「何してるん?ツム」
はぁ?!いきなり入って来んなや!サム!!
「風呂から出て自分の部屋に戻って来ただけやんか!ツムに文句言われる筋合いないわ!」
今、電話しとるんや!ノックぐらいしろや!
「はぁ?!ここは俺の部屋でもあるんや!なんでノックせなあかんのや!!」
突然侑くんの電話から治くんの声が聴こえて、その後2人が言い合う会話になった
あなた「も、もしもし…もしも〜し…」
2人の言い合いは続いたままだ
私の呼び声は、多分……聞こえていない
仕方がない……私は一旦電話を切った
侑 side
あなたとLINEしてたら、声が聴きたくなってもうて…
ちょっとは我慢したんやけど、結局電話してもうた
しかも「声聴きたくなってもうた」って……
俺、どうしたん?なんや、こんなん初めてやんか…
しかも、あなたの反応。あれは思いっきり困ってた感じやんな……
あ"〜!俺、どないしたらええん?!
しかも、いきなりサムが部屋に入ってきおって言い合いになってもうて…
いつの間にか電話は切れとった
明日、どないな顔して会うたらええねん?
治 side
……なんやねん。風呂から出て部屋に戻っただけやのに、ツムに文句言われてん
クソツムが!!
せや…
治『今、何しとる?』
あなたにLINEを送る
あなた『治くんと侑くんにポイントをまとめたノート作ってたよ』
治『ほんま、おおきに。あなたは、家庭教師みたいやなぁ』
素直な感想を伝えた
あなた『さっき、侑くんにも同じ事言われた』
____________は?!なんやて…?
さっきの電話か…
ツムの焦り具合いに違和感を感じとったけど、そうか……合点がいったわ
せやけどツムが相手だろうと、誰が相手だろうとあなたの事は譲れんねん……
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。