第20話

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2021/02/09 12:00
さて、どうすればいいかな……



ヒントに気付ければ、問題を解く力はありそう



ならば……





取り敢えず、双子用に各教科のポイントをまとめたノートを作ってみる事にした



公式の使い方や、文章を読み解くヒントをまとめてみる








『〜♪〜♪〜♪』


机の端に置きっぱなしにしてあったスマホが鳴り出した








侑『今、何してるん?』


部活が終わった時間……にしては遅い時間。侑くんからLINEが届いている



時計を見上げながら返信をする





あなた『侑くんこそ、今、何してるの?』


侑『俺は勉強しとったで!』



例のブサ可愛キャラが机に座っているスタンプが送られてくる





ふふっ…、このキャラクター好きなのかな…





あなた『今、侑くんと治くんにポイントをまとめたノート作ってたよ』





ちょっと休憩…と緩くなってしまったココアを一口飲む



スマホを片手にソファに座る





侑『マジで?!ほんまおおきに!あなたは家庭教師みたいやな!!』


あなた『いや、それは大袈裟だよ……でも合宿にちゃんと参加してほしいからね』








あれ……私何か変な事言ったかな?



さっきまでは"秒"で返事が来てたのに、突然侑くんからのLINEが途絶えた





暫く待ってみたけど、やっぱり返事は来ない





寝ちゃったのかな?



そう思って再び机に向かって座り直す








『〜♫〜〜♪〜♫〜』


今度は着信を告げる音楽がスマホから流れ出す





あなた「もしもし…どうしたの?侑くん。LINEが途絶えたから、寝ちゃったのかな?って思ってた(笑)」


侑〈LINEしとったら、あなたの声が聴きたくなってもうた〉


「ゴホン…」と咳払いしながら、侑くんは予想外の言葉を口にする





あなた「……えっ?!」



……え〜っと…、1人で勉強してて"寂しかった"って事かな…?





侑〈……あ、いや…
べ、勉強教えてくれるお礼言いたなって…〉


あなた「あ、うん。そんな…お礼なんていいよ。私の勉強にもなってるわけだしね」


侑〈おん。そっか……そやけど、やっぱr____________
「何してるん?ツム」
はぁ?!いきなり入って来んなや!サム!!
「風呂から出て自分の部屋に戻って来ただけやんか!ツムに文句言われる筋合いないわ!」
今、電話しとるんや!ノックぐらいしろや!
「はぁ?!ここは俺の部屋でもあるんや!なんでノックせなあかんのや!!」


突然侑くんの電話から治くんの声が聴こえて、その後2人が言い合う会話になった





あなた「も、もしもし…もしも〜し…」


2人の言い合いは続いたままだ



私の呼び声は、多分……聞こえていない



仕方がない……私は一旦電話を切った















侑 side





あなたとLINEしてたら、声が聴きたくなってもうて…



ちょっとは我慢したんやけど、結局電話してもうた



しかも「声聴きたくなってもうた」って……








俺、どうしたん?なんや、こんなん初めてやんか…



しかも、あなたの反応。あれは思いっきり困ってた感じやんな……





あ"〜!俺、どないしたらええん?!





しかも、いきなりサムが部屋に入ってきおって言い合いになってもうて…



いつの間にか電話は切れとった





明日、どないな顔して会うたらええねん?















治 side





……なんやねん。風呂から出て部屋に戻っただけやのに、ツムに文句言われてん



クソツムが!!










せや…





治『今、何しとる?』


あなたにLINEを送る





あなた『治くんと侑くんにポイントをまとめたノート作ってたよ』


治『ほんま、おおきに。あなたは、家庭教師みたいやなぁ』


素直な感想を伝えた





あなた『さっき、侑くんにも同じ事言われた』





____________は?!なんやて…?



さっきの電話か…





ツムの焦り具合いに違和感を感じとったけど、そうか……合点がいったわ





せやけどツムが相手だろうと、誰が相手だろうとあなたの事は譲れんねん……























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