第21話

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2021/02/13 12:00
治 side





治「ツム!早よ起きんと遅刻や!!置いてk____________……なんや、起きとるやん。行くで」


侑「…おん」


治「…なんや?テンション低いな」





昨夜の電話はあなたちゃうんか?なんでこんなに分かりやすく凹んどるん?



なんか言われたんか?















侑 side





昨夜は電話の一件が気になって、あんまり眠れんかった…


あなたにどないな顔して会うたらええねん















あなた side





あなた「っし!まだ途中だけど、取り敢えずまとめられた所までのノートは2人に渡そう!」











「おはよう」

「はよー」



学校に近付くにつれ、制服姿が増えていく





____________あ、侑くんと治くん!





校門手前で双子を発見!



足音を忍ばせて……。そぉ____________っと近づく





あなた「……ゥワッ!!2人とも、おはよう!」


治「ぅわっ!なんや…あなた。おはようさん」


侑「ぅわっ!……な、なんや。……おん。お、おはよぅ……


あなた「……?侑くん、どうしたの?元気ない?」





2人の顔を交互に見ながら、生徒玄関へ向かう



侑「えっ!?いや、あ〜…昨夜の電話な、あれ……


治「何、ゴニョゴニョ言うとるん?」


侑「な、何でもないわ!」





さっきから侑くんがチラチラ見てくるんだけど……何だろう?



昨日の電話でも、様子おかしかったし……



「声、聞きたなった」って…きっと1人で勉強してて寂しかったんだよね





____________あ、そうだった!!





あなた「途中までだけど、ポイントまとめたノート!2人にどうぞ」


侑、治「「____________!」」


侑「昨日の今日って…早速やん!感動するで」


治「ほんまやな。一晩でこれ……感動するなぁ」


あなた「いやいや、だから……大袈裟だよ。2人には合宿に参加してほしいって言ったでしょ
侑くんも、これなら1人で勉強してても寂しくないでしょ」


侑「……?おん。せやな(寂しい……?んな事言ったかいな。ま、あなたと今まで通りに会話出来とるから、ええか……)」





3人で話しながら生徒玄関で靴を履き替え、教室へ向かう














治 side





角名「はよー。あれ、3人一緒?」


1組の教室に入る手前で俺らに気付いた角名が声をかけてくる


治「おん。校門手前であなたと一緒になってな」


角名「……へぇ〜。すっかり双子と間宮さん、仲良くなったね」



目を細めて俺ら3人の顔を順番に見つめてくる





侑「そうやな!俺ら仲良しやねん。何や角名、焼きもちかいな」



「焼きもちなんか、みっともないで〜」そう言いながらツムが角名の肩に手を回す





角名「別に……そんなんじゃないよ。あぁ、そうだ。間宮さんに教えて欲しいところがあるんだけど」


あなた「あ、うん。いいよ。じゃあね、侑くん」



角名はツムの手を払い、俺らの間におった間宮さんの手首を掴むとそのまま少し強引に引っぱって自分の席へ歩いて行ってもうた















角名 side





あなた「……えっと…。どの問題?」



少し強引に自分の席まで間宮さんを引っ張って来た。「ん……」と隣の席の椅子を寄せて、そこに座るようにと差し出す



間宮さんは促されるままにその椅子に座る





角名「数学……この問題」



ノートを開き、計算途中の問題を指し示す





あなた「この問題は……あ、これはこの公式じゃなくて、こっちの公式を当てはめた方が解きやすいよ」


そう言いながら、鞄からペンを出し新たな公式を当てはめた計算式をスラスラとノートに書き込む






俺は、目の前のその綺麗な横顔を眺める。至近距離で眺めると、長い睫毛がとても印象的だ



計算式を解きながら顔を動かした弾みで、耳にかけた髪がサラリと崩れ落ちた。その綺麗な横顔を隠す



髪が落ちた事は気にせず、間宮さんはノートにペンを走らせている





その髪に手を伸ばし、耳にかけ直す








あなた「ヒャッ______、っ!?!!えっ……?!な、何、?」


間宮さんはビクッと一瞬体を強張らせて、ゆっくりと顔を上げる





角名「耳にかけた髪が落ちたから……」


出来るだけ表情を変えずに答える



あなた「あ、あぁ…、ありがとう」


角名「髪、サラサラで綺麗だね」


そのサラサラな髪を1束指に掬い取る








「何しとんねん!!」


突然、手首を掴まれてハッとした。俺の手首を掴んだのは治だった





角名「……問題の解き方は分かったから。間宮さん、ありがとう」


治の手を引き剥がしながら間宮さんにお礼を言う



治「おい、角名!!」


治に肩を掴まれる



角名「そんなに熱くなるなよ。ちょっと髪に触っただけじゃん……。もう授業始まるよ。治も間宮さんも席に着いたら」


2人の席の方を見ながら顎でクイっと机を指し示す



あなた「あ、……。ぉ、治くん。ほら、席に着こう。もう授業始まるよ。ね、ほら」


治「……チッ」



間宮さんに促されて、渋々という顔で治は自分の席へ移動して行った。その後ろに続いて間宮さんも席へ座る








__キーンコーン
     カーンコーン……__





ちょうど始業のチャイムが鳴った

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