第25話

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2021/02/18 12:00
侑 side





侑「やられたわ!サムのヤツ!!!」


2階へ駆け上がり勢い良く部屋の扉を開けると、中にいた3人が同時に肩をビクッと動かしてこっちへ振り返る





銀島「どうしたん?!侑、」


侑「アイツ、あなたと一緒にコンビニ行きおった!!」


角名「……治のヤツ」


小作「別にええんちゃう?」


侑「小作!!何呑気な事言っとるん?!」


俺の剣幕に小作が再び身体をビクッと固くさせる





スマホを取り出してサムに電話する








『ウ"____________、ウ"____________、』



机の上でサムのスマホが震えている





チッ……



サムのヤツ、スマホ置いて行きおった








角名「待って、侑!!間宮さんの携帯は?!」



イライラして、思わずスマホを投げつけようと手を振り上げた瞬間に角名が声を上げる





侑「せやな……」



角名の一言で少し冷静になる





角名「ったく、侑はすぐに頭に血が上る……」


侑「うっさいわ!」








『プルルルルル……プルルルルル……』


あなた〈もしもし、侑くん。どうしたの?〉


侑「あ、あなた。……サムも一緒か?」


あなた〈うん。コピー終わって、もうすぐ侑くん家に着くよ。あ、何か買ってきて欲しい物あった?〉


侑「いや、そんなんええねん。サムが居なくなったから、探してたんや」


あなた「あ、治……くんに代わろうか?……あ、ゴメン





んっ?何や、今の微妙な間は??















角名 side




治「ただいま〜」
あなた「皆、お待たせ〜」


侑「サム!!お前なぁ!!!」


2人が帰って来て扉が開いた瞬間に、侑が治に向かって今にも掴みかかろうという勢いで歩み寄る





角名「まぁ、まぁ……侑、落ち着いて」



予想通りの展開に溜め息が出る。2人の間に立ち、侑を宥める



銀と小作も一緒になって双子を引き離す





あなた「あ、あ、え〜っと……。え、何で?!?!」


間宮さんは、何事かと目を見開いて固まっている





まぁ、帰って来た途端に双子の喧嘩が目の前で始まったら、そうなるよね……








銀島「あ、間宮さんは何にも気にしなくてええねん」


双子の仲裁を抜けて銀が間宮さんのフォローに入る












治「……すまんかったな」



取り敢えず、治が謝る事でその場は落ち着いた











治「あなた、ここはこれでええんか?」


あなた「あ、うん。合ってるよ
____________治……くん





____________!んっ?!?!





何?!今の間は……





治を見ると、何とも満足そうにニコニコしながら間宮さんへ視線を送っている





間宮さんは……何とも居心地が悪そうにモゾモゾしながら、治からの視線から逃げるようにノートを凝視している








侑「………………。」


銀島「何か……2人、変じゃない?


小作「これは……何かあったで



流石に2人の雰囲気の変化には皆が気付いた





侑も気付いてはいるんだろうけど、恐らく"敢えて"黙って黙々と問題を解いている











あなた「……ゴメン。御手洗い借りていい?」


治「おん。案内すr____________」
侑「……こっちや」


治がいい終わらないうちに、侑が間宮さんの腕を掴み立ち上がらせる。そのまま手を引き2人はあっという間に部屋から出て行った





治「……何や、ツムのヤツ」


角名「治も似たような事したでしょ」


不貞腐れる治に向かって溜め息混じりに言い放つ



治「…………………。」


今度は治が口を閉ざし、黙々と問題を解き始めた















あなた side





あなた「ありがとう。侑くん」


侑「……あんな、部屋に戻る前にちょっと話してええ?」





何だろう?皆の前では話しにくい事……なのかな?





あなた「うん、いいよ」


侑「なら、向こうで待ってるわ」



階段を指差しながら侑くんは歩いて行った

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