角名 side
角名「ねぇ…俺も片付けやるから袋頂戴。で、気になってたんだけど……間宮さん、双子の事呼び捨てで呼ぼうとしてる?」
ゴミ袋を受け取るために間宮さんに近付き、そっと訊いてみる
あなた「あ、うん。そうだけど……急には難しいよね」
彼女は眉を下げ、少し困ったような顔をする
さっきから間宮さんが双子の事を呼び捨てで呼ぼうとしてるのは、ここに居る皆が気付いてる
そんなの双子からけしかけたに決まってる
でも彼女はそういうの、慣れていないんだろうな
何か必死な感じ。でも、それが……
____________いじらしくて…羨ましい
角名「じゃあさ、俺も呼び捨てで呼んでよ。間宮さんの事も呼び捨てしていい?
クラスも一緒なんだしさ「友達」って感じでいいよね?」
間宮さんの顔をじっと見つめる
彼女は「困った」ともう一度思うだろう。でも、今更俺の事だけ断る筈はないという自信があった
間宮さんはきっと、そういう性格だ……
あなた「あ、うん。私の事は呼び捨てでも、何でも良いよ。
えっと…倫太郎?だよね、角名くんの名前。
……倫太郎…スナリン?…、倫……倫くん…
あ、「倫くん」でもいいかな?
男の子に対していきなり呼び捨てはやっぱり難しいから…ね、」
____________、っ!……「倫くん」?
暫く俺の名前を繰り返し呟いていたと思ったら「くん」付けだけど、予想外に可愛い呼び名で呼ばれた
角名「、///へ、へぇ〜…。俺の名前知ってたの?まぁ別に…、それでいいよ」
思わず顔に熱が集まるのが自分で分かった
誰にも気付かれないように慌てて皆に背を向けて、片付けの手を動かす
角名「さっさと片付け終わらせて、勉強始めるよ」
「フゥ……」と一度ゆっくり深呼吸をしてから、気を取り直して皆に声をかけた
銀島 side
侑「っし、腹もいっぱいになったし。午後も気合い入るわ!」
角名「間みy____________、ん"ん…あなた。ここ、教えて」
あなた「ん、どこ?倫くん」
角名が開いた参考書を間宮さんが覗き込む
「「「__________________、!?」」」
皆の視線が2人に集中した
治「……あなた。どないした?いきなり角名の事「倫くん」やなんて…?」
あなた「えっ、変?……だった?」
侑「あなたが考えたんか?その呼び方」
あなた「あ、うん。そうだけど……」
侑「おん。可愛いで!あなたが考えたなら可愛い、可愛い!!」
小作「いや、何か……着目するとこ違うやろ……多分。アホやな侑」
銀島「……せやな。でも今はスルーしとき」
何や、今度は角名かいな。しかも「倫くん」って……
角名に似合わず可愛い呼び方やん。しかも角名のヤツ…あの間宮さんの事、急に呼び捨てしおったわ
間宮さんは……気にする様子、全く無しやな
けど何や?いつの間にそうなったん??
…てか、コイツら何か張り合うてん?
よう分からん……
よう分からんから、もうどうでもええわ
取り敢えず自分の事が一番や!!
勉強や!勉強!!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!