第44話

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2021/03/30 12:05
猛「やったー!!あなた行こうぜ!」


猛は扉の隙間が大きく開いた瞬間に一目散に中へと入って行く





あなた「えっ……あ、猛!」


「北さんじゃのうて、俺に言うてくれたらええのに」


猛を追いかけようとした瞬間、腕を掴まれて背後から耳元で声をかけられた





あなた「ヒャッ____________、!」



耳にかかる吐息に背筋がゾクリ____________、とする



今朝の記憶が甦り、勝手に顔が熱くなる





私の発した声に侑くんがこちらを振り返る





侑「あなた、どうしたん?顔赤ないか?具合でも悪いんか?」


あなた「ふぇっ?!……だ、大丈夫大丈夫!何でもないよ!」


思わず大きな声が出てしまい、慌てて顔の前でブンブンと手を振る



侑「そうか……」


治「………………。」





治くんは何も言わず。ただ、朝と同じニヤリとした笑みを口元に浮かべている















侑 side





……あなたの様子おかしないか?真っ赤な顔して





せやけど、体調は悪ない言うとるし





なんや、キョドっとったな





あなたを見とるサムのあの表情も。気になるで……








まさか、あいつ……あなたに何かしたんちゃうか?








侑「おい!サム、あなた嫌がっとるやろが!」


あなたの後ろ姿を目で追いかけながら、カマをかけてみた





治「あ"ぁ?何や、見とったんか」


やっぱりや。こいつ、何したん?





治「せやけどな、言うたやろ。あなた、鈍感やねん。あれくらいせんと何も気付かんで」


侑「………………。」
治「何やそんな目で見んなや。ちょっと耳元で話しかけただけやないか」










ほぅ〜…。そういう事かいな





こいつ。何勝手にあなたに近付いとんのや💢





せやけどな。自分1人だけあなたに近付いてると思ったら、大間違いやで














あなた side





北「この辺から観とき。あ、流れ玉には気い付けや」


あなた「はい。ありがとうございます」





北さんに促されるまま、体育館の隅に猛と並んで座る








侑「あなた〜。こっちやこっち、俺だけ見といてな〜」





コートへ戻る途中、足を止めこちらへ振り返りながら侑くんが元気に手を振ってくる



そんな侑くんは北さんに「こら!」と背中を押されながらコートへ戻って行った








猛「あなた、あの人知ってるのか?!」


あなた「あの人?……北さん?」


猛「違うよ!双…子?の事」


あなた「あ、うん。友達だよ。ってか猛、昨日体育館覗いてたのに、双子だって気付かなかったの?」


猛「き、昨日はっ、、サーブしか観てなかったんだよ……


私の指摘に恥ずかしそうに、そっぽを向きながらモゴモゴと返事をする










「あ"ーーーーーー!危ない!!」


あなた「________________、!?」


声のする方へ顔を向けると、ボールがこちら目掛けて飛んでくる





バシッ


「っと……すまん。大丈夫かいな?」





咄嗟に瞑ってしまった目をゆっくり開ける



あ、確か3年生の……





侑「ナイスや!アランくん。あなた大丈夫か?!」





アランくんと呼ばれた3年生が、飛んで来たボールを私の目の前で受け止めてくれていた



あなた「ありがとうございます」


ホッとして笑顔を返す



尾白「……/// 流れ玉、しょっちゅう飛んでくるから気い付けてな(……この子の笑顔、破壊力半端ないで)」










最初はパス練習、次はレシーブ練習……と、どんどんメニューを変えて練習は進んでいった

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