___騒がしかった佐久間が家を出て静かな空気が続き、人が声を上げた。
目黒「皆さんって好きな人とか居ないんですか?」
向井「ってことは恋バナ?楽しそうやな〜」
カップル2人組が声を上げた。その言葉に続き他のみんなも賛成の声を上げた。
目黒「普通に言ってくのもつまんないですし、投票
箱とか作って自分の名前を書かずに好きな人
の名前を書くなんてどうかな?」
その方法なら恥ずかしくないしやってもいいかな…
早速俺たちは目黒から配られた紙に文字を書いて言った。みんな戸惑わずにスラスラと文字を書いて、箱の中に入れていた。俺はギリギリまで悩み、結局佐久間の名前を書くことにして箱の中に入れた。
俺が入れたのが最後だったみたいで目黒がその箱の中身を掻き混ぜた。
お願いだ…俺の紙出ないでくれ…そう願っていた時目黒が箱から紙を取りだした。
目黒「えっと読みますね。書いてあったのは佐久間
くんでした。」
佐久間…?俺は恐る恐る目黒が広げた紙を覗きこんだ。
『佐久間大介』………これ、俺の字じゃない。
他にも佐久間のことが好きなやつがいるのか?俺が混乱している時他のみんなは誰が書いたか探していた。
その時俺は誰が書いたのかわかった。そうだ…こいつの存在を忘れていた…
阿部「あっ、それ書いたの俺」
…阿部。目黒が開いた紙は紛れもない阿部の字だった。
目黒「おぉ!阿部ちゃんか!じゃあもう1枚ぐらい引いちゃおうかな笑」
目黒と他のみんなは楽しそうに話している。俺はバレないように苦し紛れに笑っておいた。
目黒「2枚目行きま〜す」
俺は心臓の鼓動がどんどん早くなるのがわかった。
目黒「じゃあ言いますよ」
目黒がゆっくり紙を開ける。
目黒「また佐久間くんか〜」
出てしまった…俺がその紙を除くと紛れもない俺の字だった。
諦めて言うしかないな…
岩本「それ書いたの俺」
頑張って普通に喋ったが
動揺していないか心配だった。
向井「照にぃやったかぁ〜」
そう言われたあと俺は無理やり質問責めされたが、少しだけ答えてから自分の部屋に戻った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。