第17話

再開
1,223
2020/02/11 11:47
廉とはクラスが離れているから、私がいじめられている姿を廉に見られることはなく、前より酷くはなかったので周りからも見られることはなかった。
LINE
かれん
かれん
次は何しよっかー
あいり
あいり
んー、じゃあ、永瀬くんを1日無視してよ
私
え…?無理だよ
あいり
あいり
いけるって!
かれん
かれん
やらなかったらどうなるかわかってんでしょ?
私
はい…
かれん
かれん
楽しみ〜!
廉を無視する…?

どーやって、私…そんなの、



廉の笑顔を見ただけで舞い上がって、顔が赤くなって、お付き合いしている現在…
いつでも彼のそばにいたくて、話していたくて堪らないのに?


できないよ…。
かれん達に言われてから数時間経ちお昼休みになった。


案の定廊下をドタドタ走る音が聞こえたかと思うと教室のドアを思いっきり開け、愛しい人が私を見つめ笑う。
にこやかな笑顔で私に


廉
昼飯食お!
そう言う。
返事がしたくて堪らない。

でも少し遠くにいるかれん達を見ると、私を見てニヤニヤしながら笑ってる。


弱い私はそんな彼女達の言いなりにしかなれない。



同じクラスにいるみなみも不思議そうな顔で私を見つめ、こっちに近づいてくる。
みなみ(現在)
みなみ(現在)
あなた…?永瀬くん待ってるよ?
あなた

あ…ちょっと、お腹痛いから廉に行けないって言っといてくれる?

みなみ(現在)
みなみ(現在)
え…あ、うん、
私は走って近くのトイレに駆け込んだ。

溢れ出てくる涙は止まることを知らない。



あなた

…っ、れん、ごめんなさい、れん、

好きな人に嘘をついて、好きな人を無視する。


誰もが最低だと思うことを私は今、世界で一番大切な人にしている。


そんな自分が愚かで情けない。
自分を責めることしかできなくて、個室のドアを閉めドアに寄りかかり溢れ出てくる涙を手で抑える。
しばらくするとトイレに入ってくる足音と「クスクス」と笑う声が聞こえた次の瞬間____













“ザバーンッ”



















数秒経って何があったかを認識する。

胸の位置まである長い髪からポタポタと垂れる水滴、ワイシャツの中まで入る冷たい水。

かれん
かれん
永瀬くんと付き合うから悪いのよ!
あいり
あいり
されたくなかったら別れろ!
かれん
かれん
キャハハハハハ!!!
あいり
あいり
キャハハハハハ!!!
笑い声と共に足音も遠くなり、
彼女達が出て行ったことを知る。
私はその場で泣き崩れた_______

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