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2021/07/05

第3話

自己紹介

数分ほど歩いてようやく館に戻ってきた。
流石に子供3人を担ぐのは大変で、なかなか体力を削られてしまった。
玄関に入り、取り敢えず子供たちを下ろす。
タオルを取りに行く前に、傘の前で苦戦している彼の手から傘を受け取る。
軽く水を弾いてから、傘立てに突っ込んでおいた。

三人をもう一度担いで部屋に入ろうとすると…

その三人が目を覚ました。

「どこ?、ここ。」

「!、ハナセッ」

「みっどぉ?」

雨の降らない所へ来たおかげか、体が温まったのか知らないが、目を覚ましたのだ。
取り敢えず暴れられる前に三人を部屋に連れていく。
正直まだびしょ濡れだから風邪をひかれては困る。
玄関にいる彼にちょっと待ってて、と伝え三人をお風呂場へ運ぶ。
ここの風呂場は、無駄に馬鹿でかいのだ。
脱衣所に下ろして、近くの棚からタオルを出す。
それを三人に巻こうとしたのだが、さっきこちらを警戒した一人が、二人の手を引いて逃げようとしていた。

「誰だお前…きょーさんを何処へやった?」

だけどこちらに声を掛けてきたのは違う1人で、警戒した一人を確か"みっどぉ"と呼んでいた子だ。
そして"きょーさん"というのは玄関で待っててと言ったあの子だろう。

「大丈夫だよ。今は違うところで待ってもらってるだけ。」
「後、俺はらっだぁ。青鬼とも呼ばれてるかな?」

一応、自己紹介もしておく。
そこまでして動きをとめた三人にタオルを巻き、今度はこちらに「ちょっと待ってて」と言って部屋を出た。
玄関の彼の元へ戻る。
あぁ、彼じゃなかった。きょーさんだっけ?

「おまたせ、きょーさん。」

「遅かったな。後、なんで名前知っとるんや?」

「教えてもらった〜。」
って言っても聞いちゃっただけなんだけどね。
きょーさんが顔を顰めて、あっそ。と言われた。
なんかこの子、何となくおとなっぽい。

今度はきょーさんも持ち上げて風呂場まで歩く。
大人しくしてくれればいいな。なんて願いながら歩いた。
扉を開ければ、意外にも大人しくしている三人がいた。
少々驚きながらもそこにきょーさんを下ろして、タオルを渡した。

「あ、きょーさんにはまだだったね。俺はらっだぁ、青鬼とも呼ばれてるよ。」

そこできょーさんには自己紹介をしていなかったことを思い出して、自己紹介をしておく。
さっき言ったことと余り変わらなかったが、まぁ、いいだろう。

「俺は、ばどきょー。なんか知ってるらしいけど、きょーさんとも呼ばれとる。」

「えっきょーさん?」

俺も驚いた。
正直そこまで信用されてないと思ったのだ。
最初だってあんなに警戒していたから、名前を教えてくれるとは思わなかったのだ。
ほかの子供たちがきょーさんに、なんで?だとかいいの?だとか聞いている。
きょーさんはこくりと頷いた。
今までの様子を見ていると、何となくきょーさんは他の子を守り、盾になっているような気がする。
初め起きていたのはきょーさんだけだったし、死んじゃうよと脅した時もすぐに決断した。
光のような金色をしたその目の彼は、ずっとそういう役割なのかもしれない。

「なら、俺はコンタミ。みんなにはコンちゃんって呼ばれてるかな?」

よろしくーと笑う。彼の目は深い海のような紺色をしていた。

「俺は、レウクラウド。好きなように呼んでもらっていいけど、レウさんが多いかな。」

まだ少し硬い彼は、地獄の炎のような真っ赤な目だった。

「…緑色。」

名前だけ言った彼は、新緑のような緑色の目だった。