無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

229
2021/07/22

第8話

能力

ご飯を食べ終わったあと、4人は各自好きなように遊んでいた。
レウとコンちゃんは楽しそうに雑談しているし、みどりくんはきょーさんにちょっかいかけて遊んでいる。
ギャーギャーと騒がしい方と、穏やかでのほほんとしている方の温度差で風邪をひきそうだ。

そこで急にみどりくんの姿が消えた。
それにえっ、と驚いているといつの間にか姿が現れている。

「えっ、なにそれ!」

と投げかけると、みどりくんは一瞬ぽかんとしてから、ニヤッと笑った。
いたずらっ子のような顔で笑っている。
困惑していると、みどりくんは急に手を空中にかざして何かを打つような動作をした。
その時、みどりくんはその場から消えて次の瞬間には俺の目の前にいた。
驚いて叫び声をあげる。
耳を塞いで顔を顰めたきょーさんに「うっっっさ。」って言われた。
そんなことは置いておいて、多分これがみどりくんの能力なのだろう。
一瞬でこっちに来たってことは瞬間移動的ななにかなのだろうか。
でもそれでは初めに姿が消えた時の意味がわからないし…。
なんてもんもんと考えていると、みどりくんがふふふっと笑った。

「コタエアワセ、スル?」

煽るように聞いてくるので、少々ムッとしたが大人しく頷いておく。
でもそういった本人は話す気がないらしく、レウの背中に隠れてしまった。
レウは「俺ぇ!?」なんて大きめのリアクションをしつつ答えてくれた。

「ヴッヴンッ。えー、どりみーの能力は【コマンド】。どりみーにだけ見えてるタブレット?パソコン?みたいなのが現れるらしくて、そこに特定のコマンドを打ち込めばそれが実行されるんだって。」

さっきのはテレポート、tpっていうコマンド。と説明された。
強くね?なんて思っていると、それを察したのかコンちゃんが追加情報をくれる。

「確かに強いけど、みっどぉの能力には弱点があるんだよ?」
「みっどぉは能力を使いすぎると【オバケ】になっちゃうんだ。オバケは誰にも認識されなくなるんだ。体が少しずつ透けていって最終的には消えちゃう。」

寂しがり屋のみっどぉには最大の弱点かな?なんて笑顔で言うコンちゃんにみどりくんは少しムスッとした表情になってた。
不貞腐れたみどりくんはちょっと食い気味に「コンチャンタチモイッテ!!」と言う。
子供っぽいその様子に表情筋が少し緩んだのに気がついて、急いで頬をぺちぺちと叩く。


「なら、俺から行こうかな。俺の能力は【絵画】。キャンバスに絵を描いて名前をつければ、その子たちが具現化して出てきてくれるのー。キャンバスは能力発動時にパレット、筆と一緒に出てくるよ。」

「じゃ次は俺だな。能力は【ガスト】。地獄の世界、ネザーっていうとこの生き物だよ。好きなように呼び出せる。ちなみに俺自身もガストだから。」

「最後は俺やな。さっきは光って言ったんやけど本当は【天使】。光を具現化することができる。怪我を治すことは出来んけど、回復を早くするくらいならできるで。」


と一気に説明された。
頭は正直こんがらがっているけど時間をかけて理解した。
だけど変に思うこともあった。
どうして4人全員能力を持っていたのに、あんなにもボロボロだったのだろうか。
みどりくんの能力を使えば逃げられたかもしれないし、きょーさんの能力を使えばみんなの傷を治せたかもしれない。
そう聞けば答えたのはきょーさんだった。

「言えてなかったけどあの村にはまだ子供がおる。それも能力持ちのやつが。あの村はある年から色んなところから同じような奴が売られていく様になったんや。俺も昔は西の方におったんやけどなぁ。」

「話がそれたな。俺らはソイツらを盾にされたんや。『大人しくしてないとこいつらを殺す。』って脅された。ソイツらは唯一俺らと同じようなやつだったし、なんだかんだ懐いてくれたんや。」
「ある日、俺らより先にソイツらが生贄にされるって聞いた。その村にいた頃はみんなフードを被ってたから、俺らが変わってこっちに来た。ってわけやな。」

話を聞いて唖然とした。
きょーさんたちがこんなことになっているのにも腹がたったのに、それ以上にまだ子供がいることに腹が立った。
人間もここまで屑になれることがあるんだなぁと、逆に感動してしまった。
それに、きょーさんがここまで話したってことは…

「ねぇ。」


「助けたい?」

と聞いてみる。



「「「「当たり前。」」」」


4人の声が揃った。