腰を抜かして、暫く立ち上がれなかった私は、泣きながらそう呟いた。あんな怖い演出あるなんて聞いてなかったよ!この作品のハッシュタグにも最初そんなの無かったのに(メタい)
どう考えてもこのゲームは可笑しい。あれだけ平和そうなパッケージや絵柄なのに、どうしてこんなにも怖いイベントが発生したのだろうか。
ここまでの落差、ド◯ドキ文芸部と変わらないくらい見分けつかないと思うんだ()
こんなふざけたことを考えられるくらいには落ち着いてきたので、まだ僅かながらに震える足で立ち上がった。さっきの人は誰だったんだろう。きっとあの「ジョナサン」って人なのかもしれない。
あまりの恐怖に頭を抱えながらソファーに腰掛けた。思ったよりフカフカしている。それよりも、あの人と今後どうすれば良いのかが問題だ。
きっと明日学校に行ったら、バッタリ会うかもしれない。恋愛ゲームにイベントは付き物だし、どう頑張っても私がどこかで条件を満たしてしまえば、避けることは出来ない。結局のところここはゲームの世界なんだから。
なんとか避けられないだろうか。しかし、生憎私はこのゲームを今まで一度もやったことが無いため、攻略方法など知るはずがなかった。救いようが無い。
その時。「ピンポーン」と言うチャイムの音が確実に聞こえた。私はその場で凍り付いた。も、もしかしたら……あのジョナサンって人が来たのかも…?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!