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第20話

ログイン19日目
952
2022/11/05 01:28
海山あなた
あ、家に帰れたみたい………ってわけないかぁ〜()
無事ゲームの中の自分の家にいた。まあ何も情報掴めてないし家に帰れるはずないよなぁ…昨日の今日で帰れるほど現実甘くないですよね()



むっくり起き上がって時計を見てみると、時計は7時を指していた。あ、あの朝に弱い私が7時ピッタリに起きている…!?と自分で自分に驚愕してしまう。



私は小さい頃から朝にモーレツに弱く、親に何回も起こしてもらわないと未だに起きられないと言う恥ずかしい欠点がある。と言うわけで、そんな私が人生の中で7時ピッタリに起きられたことは遠足の日くらいしかなかった。



それだけ朝に弱い私が?何もないであろう7時ピッタリに?スッキリ目覚めてる?うーーーーーーんゲームの世界って凄いなぁ…←
海山あなた
でもまだ帰れてないのがショック…もっと情報を掴まないと…。
そう言えば菊ちゃんが何か知ってたような素振り見せてたな…ちょっと聞いてみよ
取り敢えず制服に着替えてリビングに向かう。なんか自分の家なのに自分の家じゃないみたいな感じ…()



テーブルの上に昨日から置いてあったパンを手に取って、お茶と共にモサモサと頬張る。うーん、こんな現実離れした世界で食べるパンって…あんま味しないなぁ…。パン好きなのに、悲しい…。



内心少しだけ落ち込みながらパンをお茶で流し込み、椅子から立ち上がる。適当にお皿を洗って家を出ることにした。玄関にはやはり私の靴しかない。親はもう仕事に行ったのか…?早起きなんだなぁ…。



まさに靴を履いた直後だった。家のチャイムが一回ピンポンと鳴った。私の落ち込んだ気持ちとは完全に対照的な軽やかで明るい音だった。



なんとなく誰なのか怖かった。菊ちゃんだったら喜んで外に出られるけれど…。
海山あなた
と、取り敢えずインターホン見てみるか…。
そろそろと足音を殺してリビングにあるインターホンに近付く。恐ろしくて見れたものではないが、顔を覆うようにしていた手をゆ…っくりと退かすとそこには……
翡翠菊
あなたちゃん…一緒に学校行こうぜ…★
そう言いながらカメラ越しにイケメンスマイルを放つ菊ちゃんであった。き、菊ちゃんの安心感エグーーー!?!!!?涙すら出そうになった。



万が一花京院くんとか来てたらちょっと気まずかったわと思った私は、喜び勇んで靴を履き直して玄関から飛び出す。
海山あなた
良かったよーーー相手が菊ちゃんで安心したよーーー!!
翡翠菊
ハハハハ★さ、学校に行きますぞ!
と言うわけで2人であれやこれやと学生らしいなんてことない話をして笑い合いながら学校へ向かった。実を言うと学校までの道順全然覚えてなかったので、本当に助かった。



この世界、何やら相当にヤバそうだが菊ちゃんがいれば安心だ…と心の底から安心感を感じた。
ジョナサン
ああ、先回りされちゃったかぁ……あの菊とか言う子、気をつけないとね…。
そんな私達を後ろから見ている人がいたことにはやはり気づかなかった。

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