そのときはまだ
あのキスの意味を知らなかったけど…
ピーンポーン
!阿部さん!?
「はーい!」
「あ、こんにちは。夢花。」
え。
いきなり呼び捨て…!?
「こ、こんにちは。えっと…」
「あ、ごめんごめん。下の名前教えてなかったね。秋良だよ。季節の秋に、良いの良。」
「あ、秋良…くん。」
「呼び捨てにしてよ。」
「え。」
「あ…きら…?でいい、…の…?」
「うん」
?なぜ満足そうに笑っているのか…
「あ、上がってよ!お茶だすね!」
「え、あ、じゃーお言葉に甘えて。おじゃましまーす」
「そ、そういえば。秋良。」
「ん?」
「何で…この前…私に…その…き、…キス…したの?」
「え?あーあれ?」
「面倒かもしれないけど。オレと夢花は隣人になるわけじゃん?」
「う、うん」
「でさ、疲れるときとか、あるはずじゃん。」
「うん」
「だからさ、そのときはまたキスさせてよ。」
「…は?」
「オレねー疲れてるときとか誰かとキスしないと死にそーなんだよねー」
それ…秋良がドs…って意味…?
そんなわけないか!
「で、でもなんで私?他に女の子いるはずじゃ…」
「オレ夢花のこと気に入ったから
(ニコ)」
き、気に入った!?
「もしかしたら、毎日来るかも。」
「え!」
「場合によっては、1日に何回も来るかも」
「え、えぇぇぇ!」
そ、そんな!
心臓が持たないよ…!?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。