先生が帰っても私はしばらくピアノを弾いていたー
家にもピアノはあるけど、弾かないー
だから、毎日ここに来ているー
外に出ると辺りはもう暗くてー
私は話したいと思っていた大我くんと話せて
嬉しかったー
けど、1番聞きたいと思ったことを聞けずにいたー
先生として、学校に来る前では何していたの?
今はお仕事休んでるって…
そう言われた瞬間、
聞きたいと思っていたことを聞いちゃいけない
そんな気がしたー
次の日は、音楽の授業はないー
学校では会うことないかなと思っていたけどー
バスから降りると、たまたま大我くんに会ったー
大我くんと話してると、女子の目線が怖いー
そんな簡単に言わないでー
そう思いつつ、休み時間音楽準備室覗いてみようー
休み時間が終わって、
とりあえず音楽準備室を覗くと案の定、
女子生徒が遊びに来ていたー
私は諦めて部屋に戻るー
ご飯を食べてまだ少し時間があったから、
もう一度音楽室の方へ行くと…
声のする方は、音楽室じゃなくて、
屋上へと続く人気のない非常階段の方だったー
大我くんに手を引っ張られて屋上に上がったー
京本先生が言ったことにドキッとするー
なんなんだろうー
完全に京本先生のペースになってるー
けど、パフェ食べに行こうって誘われたのは、
素直に嬉しいー
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。