さとみさんをレンタルした日から1週間の時が経った。
今も誰かにレンタルされてるのかな。
さとみさん、何してるんだろ。
せっかくの休みなのにさとみさんのことで頭がいっぱい。
レンタルなんてもう…しない。
気づくと私は、さとみさんのレンタルページを開けていた。
そして無意識に レンタル のボタンに手が進んでしまった。
ーーー
ピンポーン
部屋中に響き渡るチャイム。
私がドアを開けると、さとみさんが立っていた。
この光景、1週間前と一緒だ。
またレンタルしたというか、レンタルしちゃったんだよね。
本当はレンタルする気なんてなかった。
でもこの顔がもう一度見たくて…。
さとみさんのレンタル表には、たくさんの印が入っていて、今日はこの5分間しかレンタルできなかった。
ーーー
こういう言葉のせいで女の子はレンタル依存性になっちゃうんだ。
寂しくなんてなかった癖に。
はっきり言えば、きっと私の事なんて忘れてたに決まってる。
____この時私は、自分がレンタル依存性になるだなんて知らなかった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!