私は1人になりたくて
適当な空き教室に入って窓によりかかった
まっけんが誘ったって...
本当だったの...?
じゃあ、じゃあ、もしかして...
まっけんも広瀬先輩のことが好きだったり...?
.......
そんなことを考えていると
自然と涙が頬を伝っていた
私、こんなにまっけんのこと好きだったんだ...
本当に、誰にも取られたくないよ...
考えれば考えるほど涙は止まらなかった
すると
不意に何かに後ろから抱きしめられた
私が驚いて固まると
後ろから真宙先輩の声が聞こえた
私が頷くと
真宙先輩は私の頭を撫でた
そう言って私に笑いかける真宙先輩
この人を...好きになれたら...
きっと楽しいことが待ってるって思うのに
私が好きなのは...どうしようもなくまっけんなんだ
私が教室に戻ると
果耶が私の元へ走ってきた
果耶が言うことは私の悩みを言い当てていて
何も反論できなかった
真宙先輩が来てくれた時
何故か安心した
まっけんのことがどうしようもなく好きでも
真宙先輩の腕の中にいる時
本当にまっけんのことを忘れられた
広瀬先輩と上手くいってるまっけんなんか
想像したくなかった
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。