第86話

# 86
3,088
2020/04/05 10:00
私は1人になりたくて


適当な空き教室に入って窓によりかかった









まっけんが誘ったって...


本当だったの...?


じゃあ、じゃあ、もしかして...


まっけんも広瀬先輩のことが好きだったり...?


.......





















そんなことを考えていると


自然と涙が頬を伝っていた










私、こんなにまっけんのこと好きだったんだ...


本当に、誰にも取られたくないよ...














考えれば考えるほど涙は止まらなかった



すると































































不意に何かに後ろから抱きしめられた



あなた

!?

私が驚いて固まると















高杉真宙
高杉真宙
ごめん...こんなことして...

後ろから真宙先輩の声が聞こえた
あなた

真宙...先輩...?

高杉真宙
高杉真宙
うん、驚かせてごめん、
あなた

ううん、大丈夫...だけど...

高杉真宙
高杉真宙
あなたちゃんが泣いてるのが見えて...そしたらほっとけないって思って...
あなた

...ありがとう、

高杉真宙
高杉真宙
なんで泣いてるのかは聞かない
でも...今は俺だけのこと考えて欲しい、
あなた

.......

高杉真宙
高杉真宙
無理なこと言ってるの分かってるんだけど...笑
どうしても、あなたちゃんのことが好きなんだ
あなた

...こんな私の事、本当に好きでいてくれるんですか?

高杉真宙
高杉真宙
当たり前だよ、そんなあなたちゃんが好きなんだもん
あなた

先輩.....

高杉真宙
高杉真宙
でも、無理に気持ちに応えようとする必要は無いって言っておくね
あなた

.......

高杉真宙
高杉真宙
あなたちゃんが...他の人のこと気になってるのは分かってるし...
俺以外にも親しい男友達たくさんいるのも分かってる
あなた

.......

高杉真宙
高杉真宙
でも、今だけは...今だけでいいから、俺の事だけ考えてて
あなた

...うん


私が頷くと


真宙先輩は私の頭を撫でた




























































高杉真宙
高杉真宙
じゃあ...もうすぐお昼休み終わるし、戻ろうか
あなた

...うん、先輩本当にありがとう

高杉真宙
高杉真宙
お礼なんか言われる筋合いないよ

そう言って私に笑いかける真宙先輩







この人を...好きになれたら...


きっと楽しいことが待ってるって思うのに


私が好きなのは...どうしようもなくまっけんなんだ



























































私が教室に戻ると
清原果耶
清原果耶
あ!あなた!!!
果耶が私の元へ走ってきた
あなた

果耶...ごめん、急に屋上飛び出したりして...

清原果耶
清原果耶
ううん、そんなの全然気にしてないよ
それに...真宙先輩が行ってくれたみたいだから私安心して任せられたの、
あなた

み、見てたの...?

清原果耶
清原果耶
うん!笑
いいな...あんなふうに健太郎先輩にも...じゃなくてじゃなくて、
あなた

...ふふふ笑

清原果耶
清原果耶
あ、あなた笑った
あなた

え?

清原果耶
清原果耶
あなた...屋上出ていく時すれ違ったけど、辛そうな顔してたし...まず泣いてたでしょ?私なんて言えばあなたを笑わせられるかなって考えてて...
あなた

果耶...

清原果耶
清原果耶
だけど、真宙先輩があなたのいる教室に入っていくのが見えて...
私、必要ないなって思ったんだよね、
あなた

そんな、

清原果耶
清原果耶
きっとあなたにとって新田先輩は...真宙先輩みたいな存在にはなれないんじゃないかな、
あなた

...どういうこと?

清原果耶
清原果耶
真宙先輩みたいに、泣きたい時にそばに居てくれる存在ってこと
あなた

.......

清原果耶
清原果耶
新田先輩は...全然、誰のことが好きなのかわからないよ
あなた

...それは

清原果耶
清原果耶
あなた、辛くないの?私も辛いけどさ...
新田先輩のこと追ってるあなた見ると、はっきりしない先輩のことでいつも悩んでる気がする...



果耶が言うことは私の悩みを言い当てていて


何も反論できなかった






真宙先輩が来てくれた時


何故か安心した


まっけんのことがどうしようもなく好きでも


真宙先輩の腕の中にいる時


本当にまっけんのことを忘れられた



広瀬先輩と上手くいってるまっけんなんか


想像したくなかった








プリ小説オーディオドラマ