第87話

# 87
3,130
2020/04/06 10:00
午後の授業を終えて帰り支度をしていると
吉沢亮
吉沢亮
あのさ、あなた
あなた

ん?

亮くんが話しかけてきた
吉沢亮
吉沢亮
今日...

そう言いかけた時












































山田涼介
山田涼介
あなた!!!!
廊下から大声で私を呼ぶ声がした


その正体は涼介くんだった




あなた

涼介くん!?

山田涼介
山田涼介
今日一緒に帰ろうよ〜!
あなた

あ...


どうしようか迷ったけど、


委員会の日嘘をついてしまい


帰れなかったから今日は帰ることにした
あなた

うん、じゃあ帰ろう、

山田涼介
山田涼介
ほんと!?やった!!!じゃあ下で待ってるね!
涼介くんは嬉しそうにそう言って


廊下を走り去って行った



あなた

ごめん、亮くんどうした?

私が亮くんに向き直ると亮くんは涼介がいた場所を


見つめていた
あなた

亮くん...?

吉沢亮
吉沢亮
...あぁ、ごめん
あなた

ううん、大丈夫だけど...

吉沢亮
吉沢亮
ごめん、用事なくなったから今日は帰るわ
あなた

え?

吉沢亮
吉沢亮
じゃあまた家でね
あなた

う、うん...


私がそう言うと亮くんは持っていたカバンを肩にかけて


颯爽と出ていってしまった







なんだったんだろう...?


なんの用だったのかな...?







亮くんをそんなことを思いながら


見送っていると






















竹内涼真
竹内涼真
悪いけど、俺もついてくから
後ろを振り向くと


そこにいたのは涼真くんだった
あなた

涼真くん!?

竹内涼真
竹内涼真
普通に涼介だけとか心配すぎるだろ、
あなた

そ、それはそうかもしれないけど...って、え?

竹内涼真
竹内涼真
だから、俺も一緒に帰るのについてくって言ってんの
あなた

え?な、なんで...

竹内涼真
竹内涼真
涼介一人にするわけにはいかないから
あなた

...涼真くんと涼介くんって

竹内涼真
竹内涼真
ん?
あなた

仲良いんだね笑

竹内涼真
竹内涼真
...は?
あなた

だってそういう理由で一緒に帰りたいってことだよね?笑
なんなら私居なくてもいいんだけど...笑

竹内涼真
竹内涼真
それは...ダメだろ、しかもそんなんじゃないし
あなた

え?

竹内涼真
竹内涼真
俺はただあいつが心配なだけで...
あなた

...だから、そういうところじゃないの?

竹内涼真
竹内涼真
え?
あなた

涼真くんは...本当に涼介くんのこと好きなんだなって分かるよ

竹内涼真
竹内涼真
...そんなんじゃないし
あなた

そんな謙遜しなくてもいいよ笑

竹内涼真
竹内涼真
だからほんとにちが...!
あなた

もう、とりあえず行こうよ涼介くんのところ

竹内涼真
竹内涼真
.......
あなた

私先行っちゃうよ〜


そう言って私は涼真くんに背を向けて階段を


降り始めると涼真くんも後ろからついてきた




























あなた

ごめん、待った?

私と涼真くんが靴箱に着くと


涼介くんは私を見て嬉しそうな顔をしたけど


すぐに涼真くんを見て嫌そうな顔をした
山田涼介
山田涼介
なんでお前がいるんだよ
竹内涼真
竹内涼真
悪いか
山田涼介
山田涼介
悪いよ!
あなたとせっかく帰る約束したのに...
竹内涼真
竹内涼真
.......
山田涼介
山田涼介
涼真がいたら邪魔でしかないじゃん、
竹内涼真
竹内涼真
...分かってるよ
あなた

そんなこと言わなくてもいいじゃん?涼介くん、

山田涼介
山田涼介
え?
あなた

なんていうか...涼真くんも何も無くてついてきたわけじゃないし...そうだよね?

竹内涼真
竹内涼真
.......
あなた

涼介くんのことが心配で、

竹内涼真
竹内涼真
だからそんなんじゃないよ
あなた

...え?

山田涼介
山田涼介
涼真?
竹内涼真
竹内涼真
もう俺帰るわ
あなた

ちょっと!涼真くん!?


私が止めるのも虚しく涼真くんは


靴箱を出ていった








なんで...?


どうして涼真くんは怒って行っちゃったの...?


涼介くんのことが心配でついてきた...んじゃなかったの?


言われちゃいけないようなこと言ったかな...







私は訳が分からなかった














あなた

涼真くん...どうしよう...

山田涼介
山田涼介
いいじゃん、涼真なんて気にしなくても、
あなた

なんで...?涼真くんは涼介くんのこと心配してついてきてくれたんだよ?それなのに...

山田涼介
山田涼介
そんなの知らないよ、なんであなたが涼真のこときにするの?
あなた

きにしてるとかそういうわけじゃなくて...

山田涼介
山田涼介
もしかして...涼真のこと好きなの...?
あなた

え?違うよ!そういうことじゃなくて、

山田涼介
山田涼介
...じゃあいいよ、涼真と帰れば?
あなた

...!

山田涼介
山田涼介
俺はあなたともっと仲良くなりたいって思って誘ってるのに...他のやつのこと考えないでよ、
あなた

ごめん...!

山田涼介
山田涼介
涼真のこと追いかけてけばいいじゃん
あなた

.......

山田涼介
山田涼介
俺も帰るね

どうしよう...このままだと


本当に2人を引き裂いたのが


私だってことになる...



それはどう考えてもまずいよ...!!


涼真くんはあんなに涼介くんのことが好きで...


心配してついてくるぐらいなのに...


涼介くんだってそうじゃないの...?






そう思ったら私に背を向けて歩きだす涼介くんの手を


無意識に掴んでいた

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