そういえば...
私はそこで昨日の遥亮くんの言葉を思い出した
たしか...真宙先輩って遊び人なんだって言ってた...
本気で付き合ったことあるのか、って...
じゃあ私も遊び相手にされてるってこと?
そこまで考えるとちょうど教室についていた
ドアを開けて中に入ろうとすると
私を呼ぶ声が聞こえて足を止める
正体は紫耀くんだった
真宙先輩については苦笑いしか出てこない
もしかしたら遊び人かもしれないってのに...
デートに同行させてくれなんてどういうつもりで...
紫耀 side
それ完全あなたちゃんのこと
何かしら思ってるってことだよな...?
どうしよう、先に越される...!
真宙先輩って...入学式のときのあの先輩なら
かっこよかったし僕なんか...足元にも及ばない...
そこで予鈴が鳴った
私は紫耀くんの言ったことがチャイムで聞こえなかった
でもまああとでまた聞けばいっか.....
そう思いドアを開けて自分の教室に入った
私が席に着くと同タイミングぐらいで
先生が入ってきて授業が始まった
私の班は賢人くん、流星くん、清原さんだった
先生がそう言って出て行ってしまうと
教室内は一斉にガヤガヤし始めた
清原さん...昼休みの時話しかけに来てくれて
嬉しかったからよかったら仲良くなりたい...
私が清原さんのキラキラした目を
直視できずにいると
賢人くんが話に参加してきた
す、するどい.....
私が肯定も否定もせずにいると
清原さんは私を見て笑顔になった
私たちの横では黙々と流星くんが課題を終わらせていた
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。