私と遥亮くんは揃って家に着く
あ、流星くんだ
遥亮くんはそう言って2階に上がっていってしまった
私は流星くんにたぶんまだ気づかれてない
そう言いながら流星くんは何か書いていた
何書いてるんだろ...?
私は嬉しかったのを思い出した
そう言って流星くんは立ち上がって行ってしまった
私も...部屋行くか
すると
ガチャ
どこかの部屋のドアが開く音がして
こちらに誰かが向かってくる足音がした
誰だろう...?
その正体は大志くんだった
大志くんとは昨日のお風呂場以来
会ってない
向こうはめちゃくちゃ気まずそうに
私を見ないように通ろうとした
昨日は怒ってたけど...
でももうそんなの時間の問題だし
一緒に住んでるんだから
最初はこういうことも...ある、よね、
私が笑うと大志くんはやっとこっちを見てくれた
賢人くんの言葉で私ももう
気にしないって決めた
そんなひとつのことに囚われてたら
この先ここで暮らすことなんかできない
...絶対心臓もたないし
そう言って大志くんは
私の横を通ってキッチンへ消えていった
賢人くんのこと大志くん大事に思ってるんだな
それにしてもここに越してきたのが私でよかったとか
そんなこと言われたらどんな顔すればいいか
わかんなくて困った...
でも、このシェアハウスに引っ越してきて
良かったなって思った
それに...大志くんって結構本音言いやすいかも
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!