きがついたら寝ていて
目が覚めると朝になっていた
今日...学校行きたくないな...
私はそう思ったけどふと視界に折りたたみ傘が
入ってきた
あ、そうだ...
あの子に...あれ返さないと...
私はそれを達成するためになんとか起き上がった
今日も...長い一日が始まる
リビングに行くとみんなは慌ただしく
移動していた
私は急いでご飯を食べ終えると
まっけんがキッチンにいたけど
顔もみず何も言わずお皿をシンクにおいて
すぐに立ち去った
私が玄関に向かうと
そこには賢人くんと紫耀がいた
まだ今日起きてから1度も話してなかったから
私はなんとなく話しかけた
紫耀はそう言って私には答えず
行ってしまった
もしかして...
私のこと避けてるのかな...?
いや、でもこれ1回だけだし、
本当に用事があったのかもしれないし...!
私はわざと気にしない振りをして
明るく振る舞おうと思った
学校に着くと
果耶がもういたのでそっちに行った
私がそう言いかけた瞬間
果耶が私を抱きしめた
昨日あんなに泣いたのにな...
私は果耶の腕の中でまた泣いてしまった
果耶はずっと私の背中をさすってくれた
私と果耶はそこから
教室を飛び出して空き教室にはいった
ここなら誰も来ないし
サボっていたとしても見つかる心配はないから...
私たちは並んで空を見上げていた
果耶がいてくれて...
私は助かったよ、ありがとう、果耶
少しして果耶が
トイレに行くと言い出して私は
その場で待っていた
すると
私の背後から
知っている声が聞こえた
振り返るとそこにいたのは広瀬先輩だった
まっけんにしっかり振られたあとだと
不思議とライバル感覚は消え去っていた
そう言って広瀬先輩は私の隣に並んだ
私はその言葉の続きを聞いたとき
嘘だと思った
そんなことあるわけないよ
私にだってまっけんは気持ちに応えることはできないって...
言ってたでしょ...?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。