第92話

# 92
2,957
2020/04/22 08:00
学校に着くと


果耶が走りよってきた
清原果耶
清原果耶
おはよ、あなた...!
あなた

おはよう、果耶、

清原果耶
清原果耶
なんか...疲れてる顔してる...けど...どうしたの?
あなた

え、ほんと...?

清原果耶
清原果耶
うん、嘘つけないんだよ?私には
あなた

...そっか

清原果耶
清原果耶
話してみてよ、何があったのか
あなた

...実はね

まっけんに許嫁がいたということを


私は果耶に話した
清原果耶
清原果耶
なにそれ...
あなた

...私もまだ正直認められてないよ...
そんな今どきあるの...?って話だし、

清原果耶
清原果耶
たしかにそれは...そうかも...
でも、それなら新田先輩が嘘でそんなこと言う必要がどこにあるかってことにならない?
あなた

それはそうかも...

清原果耶
清原果耶
...きっとほんとなんだよ、それは
あなた

.......

清原果耶
清原果耶
認めたくない気持ちは分かる...
でも、認めた上でその人をさらに超えられればいいわけでしょ??
あなた

果耶、

清原果耶
清原果耶
あなたは...可愛いよ、本当に
だから大丈夫
あなた

...うん、

清原果耶
清原果耶
新田先輩が好きなのはきっとあなただから
あなた

.......

清原果耶
清原果耶
そんなに泣きそうな顔にならないで...って、
あなた

え?

果耶が私を抱きしめようとして


固まった



果耶の視線の先を見ると
















































そこには紫耀がいた
清原果耶
清原果耶
紫耀くん...!?
あなた

紫耀...!?

平野紫耀
平野紫耀
ごめん...盗み聞きするつもりじゃ...
清原果耶
清原果耶
...聞いてたんだね
平野紫耀
平野紫耀
.......
清原果耶
清原果耶
あなたが誰のことが好きなのか...紫耀にも分かっちゃったか、
平野紫耀
平野紫耀
...新田先輩って
あなた

.......

平野紫耀
平野紫耀
まっけんのことだよね...?
あなた

...そう

平野紫耀
平野紫耀
...そっか
清原果耶
清原果耶
紫耀くんのこと、私応援したかったけど...
ごめんなさい
平野紫耀
平野紫耀
なんで君が謝るの...?
あなたのせいでもないし、君のせいでもないよ
あなた

...ごめん

平野紫耀
平野紫耀
仕方ないよ、それは...うん、じゃあ俺...教室戻るね
あなた

うん、また...ね


紫耀は私たちに背を向けて


自分の教室の方に戻って行った






清原果耶
清原果耶
また盗み聞き...
ここで話すのやめようか、
あなた

...そう、だね

清原果耶
清原果耶
あなた?誰かが幸せになるために誰かが傷つかなきゃならないのって...よくある事だよ?
あなた

果耶...

清原果耶
清原果耶
だから、紫耀くんの気持ちに応えようって必死にならないで
紫耀くんとあなたの関係はこれで良かったの
あなた

...うん、

清原果耶
清原果耶
わざと好きなフリしてたって...紫耀くんは喜ばないよ
あなた

...そうだよね、

清原果耶
清原果耶
あなたは新田先輩のことが好きなあなたでいればいい
あなた

うん、ありがとう...

果耶がそう言うと


同時にチャイムが鳴って私たちは席に着いた







































































そのころ
紫耀は下を向いて教室に戻ろうと歩いていた


すると














ドンッ

誰かにぶつかってしまった
平野紫耀
平野紫耀
あ、ごめんなさ...!
紫耀が顔を上げるとそこには












































菜奈がいた
小松菜奈
小松菜奈
あれ、君...
平野紫耀
平野紫耀
 ...あ、
菜奈は紫耀の顔を見て


笑顔になると腕を掴んで歩き出した






































屋上に連れてこられた紫耀は


なにがなんだかわからないという顔で


菜奈を見た
平野紫耀
平野紫耀
急に連れてきて何の用ですか...?
小松菜奈
小松菜奈
ごめん、まだ警戒解かれてなかったよね...笑
平野紫耀
平野紫耀
警戒?
小松菜奈
小松菜奈
だから、まっけんのことだよ
平野紫耀
平野紫耀
.......
小松菜奈
小松菜奈
あの時は...本当に、どうかしてたんだと思う
今はあんなことしないし独占欲も強くないよ
平野紫耀
平野紫耀
...そこを心配してるわけじゃないんですけど、
小松菜奈
小松菜奈
そんな、いいのいいの
私がとりあえずなんでここに連れてきたのか言うとさ...
平野紫耀
平野紫耀
.......
小松菜奈
小松菜奈
さっきぶつかってきた時、ちょっとだけ見えたの、君が泣いてるのが
平野紫耀
平野紫耀
...!
小松菜奈
小松菜奈
私そういうの弱いんだよね〜...人が泣いてるの見ると放っておけないっていうか
平野紫耀
平野紫耀
.......
小松菜奈
小松菜奈
君、名前なんて言うの?
平野紫耀
平野紫耀
...平野紫耀です
小松菜奈
小松菜奈
みたところ1年生よね...なに?なにかあったの?
平野紫耀
平野紫耀
...話す義理ないじゃないですか
小松菜奈
小松菜奈
...それもそっか笑
そう言って菜奈はドア付近に近づいていく
小松菜奈
小松菜奈
でも...もし、話したくなったらいつでもおいでよ
私...きっと同じような体験してると思うんだ、紫耀くんと、ね
平野紫耀
平野紫耀
.......
そう言って菜奈はドアを開けて出ていった

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