第114話

# 114
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2020/06/11 08:00
あなた

いや、もうあれは...私気にしてないし、

清野菜名
清野菜名
そう、なの...?
あなた

うん、清野さんの気持ちはよく伝わったから

清野菜名
清野菜名
...ごめん、なさい
あなた

今更謝られるのもなんだし...これからはちゃんと友達として接したいな...
私のことはあなた、でいいよ

清野菜名
清野菜名
あなた...?
あなた

うん、私も...菜名って呼んでいいかな?

清野菜名
清野菜名
うん...!
あなた

じゃあ...これから、よろしくね

清野菜名
清野菜名
こちらこそ...よろしくお願いします


そのあとは私たち2人並んで歩いた


初めてちゃんとこの人と分かり合えた希がした





























































シェアハウスに着く


私は菜奈先輩との話を思い出していた


まっけんと...まずはカタをつける...



私の気持ち、いったいどうなってるんだろう?


まっけんに対して...


どう思ってるの?



私はまっけんについてどう思うのか


よく分からなくなっていた




でも、涼真くんといったあの屋上でも


無意識に姿を探していたのは


まっけんだった ______






























































中川大志
中川大志
あれ、何してるの?そんなところで
私が玄関に突っ立っていると


大志くんが中から出てきた
あなた

あ、ちょっと...考え事、

中川大志
中川大志
そうなんだ??
そう言って私の前を通り過ぎた


と思ったら





中川大志
中川大志
あ、そうだ
私の方をもう一度ふりかえって言った






中川大志
中川大志
俺...果耶ちゃんのこと...諦めなきゃいけなくなったんだ
あなた

え?

中川大志
中川大志
突然そんな事言われても混乱するか笑
大志くんは泣きそうな顔で笑っていた


あなた

大志くん...大丈夫...?

中川大志
中川大志
.......
私がそう聞くと途端に


目から涙がこぼれ落ちていく


中川大志
中川大志
ずっと...ずっと我慢してた...
果耶ちゃんの隣にいたいって、思ってたけど...
あなた

うん、

中川大志
中川大志
でも、それは無理な願いなんだよね?
俺分かってなかった、ずっと他に好きな人がいたのに...俺は...
あなた

そんなことない...!

中川大志
中川大志
絶対果耶ちゃんにとって俺は、いらない存在だった 邪魔な存在だった
あなた

違うよ!

中川大志
中川大志
何が違うの...?
じゃああなたちゃんは俺のこの気持ちが報われると思ってた?
あなた

それは...

中川大志
中川大志
...やっぱり、分かってたんだ
あなた

大志くん、待って、

中川大志
中川大志
俺、もう誰のことを信じればいいのかわかんないよ
あなた

大志くん!!


大志くんはそう言うと


シェアハウスを出ていってしまった




私が追いかけなきゃと思って靴を履こうとすると

































坂口健太郎
坂口健太郎
今はひとりにしてやったら
後ろから健太郎くんの声が聞こえた
あなた

健太郎くん...!

坂口健太郎
坂口健太郎
あいつもあいつで...
いろいろ考えてその結果になったんだろうし
あなた

聞いてたの?

坂口健太郎
坂口健太郎
聞こえちゃった、が正しいんだけど
そう言うと私の隣に並んだ
あなた

...健太郎くんが事の発端だったりするのに

坂口健太郎
坂口健太郎
.......
私が何気なく呟いたこと


それは健太郎がすごく気にしていたことだった




坂口健太郎
坂口健太郎
俺は、果耶ちゃんを好きになることは出来ない
他に好きな人がいる
あなた

.......

坂口健太郎
坂口健太郎
俺だって報われない恋してるんだよ
みんな...同じじゃないの?
あなた

みんな...同じ...

坂口健太郎
坂口健太郎
あなたちゃんだってまっけんの気持ち...誰に向いてるのか分かってる?
あなた

え?どういう意味...?

坂口健太郎
坂口健太郎
知らないんだ?昨日、まっけんと誰か女の子が一緒に歩いてたって
あなた

なにそれ...

坂口健太郎
坂口健太郎
もしも気にしてるなら、今すぐまっけんのところ行った方がいいんじゃない?
あなた

.......


私、気にしてるのか、


坂口健太郎
坂口健太郎
そうやって意地張っても自分の気持ちに嘘つく方が辛いよ
あなた

...!

坂口健太郎
坂口健太郎
何があったのかは知らないし俺が何か言っていいわけでもないと思う
坂口健太郎
坂口健太郎
でも、あなたちゃんが自分の気持ちに蓋をするのは見てて耐えられない
あなた

...健太郎くん、

坂口健太郎
坂口健太郎
まあ、俺がそんなこと言える立場じゃないと思うけど、
あなた

果耶のことは...仕方ないことなんだよね、

坂口健太郎
坂口健太郎
.......
あなた

健太郎くんにも、好きな人がいた...
それだけのこと、なんだよね...

坂口健太郎
坂口健太郎
果耶ちゃんのこと...あなたちゃんが悲しませることがないようにね、
あなた

え?


健太郎くんはそう言って


私の前からいなくなった

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