そのあとは私たち2人並んで歩いた
初めてちゃんとこの人と分かり合えた希がした
シェアハウスに着く
私は菜奈先輩との話を思い出していた
まっけんと...まずはカタをつける...
私の気持ち、いったいどうなってるんだろう?
まっけんに対して...
どう思ってるの?
私はまっけんについてどう思うのか
よく分からなくなっていた
でも、涼真くんといったあの屋上でも
無意識に姿を探していたのは
まっけんだった ______
私が玄関に突っ立っていると
大志くんが中から出てきた
そう言って私の前を通り過ぎた
と思ったら
私の方をもう一度ふりかえって言った
大志くんは泣きそうな顔で笑っていた
私がそう聞くと途端に
目から涙がこぼれ落ちていく
大志くんはそう言うと
シェアハウスを出ていってしまった
私が追いかけなきゃと思って靴を履こうとすると
後ろから健太郎くんの声が聞こえた
そう言うと私の隣に並んだ
私が何気なく呟いたこと
それは健太郎がすごく気にしていたことだった
私、気にしてるのか、
健太郎くんはそう言って
私の前からいなくなった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!