第119話

# 119
2,363
2020/06/22 08:00
吉沢亮
吉沢亮
朝って意外と気持ちいいんだね、
あなた

そうだね、

私たちは他愛のない話をしながら


並んで歩いていた






まっけんのこと...


あの時は好きじゃなくなりたいって


そう思ってた


まっけんを追いかけていると


しんどくて辛いことばかりで...



私には耐えられなかった





でも...


今、こうして突き放されたみたいに


好きな人がいるっていわれたら...


私はどうしたらいいの...?


そう簡単にまっけんのこと忘れられるはずが...














そんなことを考えていると
吉沢亮
吉沢亮
あの...さ
亮くんが口を開いた
あなた

...なに?

吉沢亮
吉沢亮
何が...あったの?
あなた

.......


直接問いかけられたのは初めてで


私はまっけんとのことを話そうと決めた



あなた

...実は

吉沢亮
吉沢亮
うん
あなた

私、ずっとまっけんのことが好きだったの

亮くんは驚いた顔もせずそのまま聞いている


あなた

1度、前にまっけんと両思いになれたって思った時があって...でも、それからいろいろまっけんのことで悩むことが増えて、好きでいるのが辛くなって

吉沢亮
吉沢亮
.......
あなた

気がついたらまっけんに酷いこと言ってたの
...今でも後悔してるけど

吉沢亮
吉沢亮
...うん
あなた

だから今日...謝ったんだ
その時のこと

吉沢亮
吉沢亮
...それで?
あなた

でも...まっけんに好きな人がいるって言われた

吉沢亮
吉沢亮
...え?
あなた

付き合いたいって思う人がいるって...

吉沢亮
吉沢亮
なんだよそれ...
あなた

それ聞いた時、あの日なんでひどいこと言っちゃったのか本当に後悔したの
...でも、もう遅いんだって気づいた

吉沢亮
吉沢亮
.......
あなた

...もう、後には戻れないよ

吉沢亮
吉沢亮
...あなた
あなた

ん...?


亮くんは私の目を見て名前を呼んだ


吉沢亮
吉沢亮
僕ならあなたにそんな顔させない
あなた

...!

吉沢亮
吉沢亮
僕は...ずっとあなたを好きでいる自信がある
他の誰かに恋するなんて...ありえない
あなた

.......

吉沢亮
吉沢亮
だから...僕のこと、好きになればいいのに
あなた

...!

吉沢亮
吉沢亮
って、こういう時に言いたくなかったんだけど...
あなた

亮くん、

吉沢亮
吉沢亮
ごめん、困らせてるのわかってる
あなた

違う、

吉沢亮
吉沢亮
あなたの言い方は、今でもまっけんのことが好きなんだって言ってるようなものだもんね、
あなた

.......

吉沢亮
吉沢亮
でも...僕の気持ちは受け取って欲しい
知っていて欲しかった
あなた

亮くん...

吉沢亮
吉沢亮
もし、まっけんのこと忘れられる日が来たら...
僕のところに来て欲しいな、

亮くんはそう言って笑った





こんな風に純粋に誰かを想いたかった


なんで...


どうしてこうなっちゃうんだろう?


他の人を好きになった方が絶対に良いのに


楽しい恋ができるのに



なんで私はまっけんのことが


頭から離れないの...?





私の中からまっけんは消えてくれない




























































シェアハウスに戻ると


まっけんの靴はなかった


他にも、何人かの靴もなかった





吉沢亮
吉沢亮
みんなどっか行っちゃったのかな?
あなた

うん...かも、ね

すると、持っていたスマホが鳴った



あなた

...あ、果耶からだ


私は果耶からの電話に出た
あなた

もしもし?

清原果耶
清原果耶
あ、あなた?おはよ!
ちょっと私...健太郎先輩に話したいことがあるの
あなた

健太郎くんに...?

清原果耶
清原果耶
うん、もう...優柔不断なのはやめようと思って
あなた

優柔不断って...果耶が?

清原果耶
清原果耶
そうだよ、...私結局大志くんに想いを寄せられなくなったら少し寂しいって感じてるの
あなた

そう...だったの...

清原果耶
清原果耶
どっちつかずは辞めたい
健太郎先輩とちゃんと話して...
私が今誰のことを本当に考えてるのか知りたい
あなた

...うん、わかったよ

清原果耶
清原果耶
これからそっち行くけど大丈夫?
あなた

健太郎くんも...大志くんもいるよ
大丈夫

清原果耶
清原果耶
わかった、じゃあまたあとでね!

果耶の声が途切れる


私もその合図で電話を切った





























少し経つと


玄関からドアが開く音がした




私が急いで玄関に向かうと






清原果耶
清原果耶
あなた...お邪魔します
果耶の姿がそこにはあった


急いできたみたいで息が少し切れている



私は少しうなずくと


果耶を家の中にあげた






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