5時間目
体育館に着くと
私たちは先生達にそんな指示を受けた
私のグループは...
Cグループだった
ちなみに果耶も奇跡的に同じグループだ
大きくCの文字が書いてあるボードを持った
先生がいる所に私たちは急いで行った
するとそこにいたのは
...そこにいたのは、
磯村...先輩...
私は固まって声も出せなかった
あの日の光景が蘇ってくる
先輩に呼び出されて...
それから...それから...
先生はそう言うと行ってしまった
どうしたらいい...?
磯村先輩にどんな顔してたらいいの...!?
磯村勇斗 side
なんでよりにもよって同じグループ...
俺は嬉しいけどあなたは...
どう思ったのか分からない
いきなりあんなことして...俺、何やってんだ...
すると、一人の女の子が私たちに声をかけてきた
ちょっと待って、
めちゃくちゃ可愛すぎるんだけど...
果耶もそう私に話しかけてきた
果耶は逆にその子に興味を持ったらしく
食い気味に挨拶している
すると、後ろから広瀬先輩の声がした
先輩方がそんな話をしている時
私は果耶の肩に手を回して
小さな声で話しかけた
避けちゃダメだって
そう心の中では思ってる
でも...
なんか今この状況で2人になるのは
気まずいって言うか...何話していいか分からないし...
磯村先輩とここに来てから
1度も話してないし...
先輩が何思ってるのか分かんない...
そう言って私に笑顔を向ける
その先輩
まだ名前すら聞いてないけど...
なんだかその笑顔に吸い込まれそうになった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!