紫耀と隣に並んで歩いていると
紫耀が話しかけてきた
変な人だ、紫耀って
でも、思わず笑顔になれちゃうからすごい
紫耀に好きだって言われたのは...
結構前だったっけ、
でも、涼介くんにも一目惚れしたとか言われて...
私、そんなにいい人なのかな...?
なんでこんな私にみんなが来てくれるんだろう?
家に着いてまっけんの靴を見たら
また気になる人がいるって話を思い出してしまう
紫耀に勘づかれないように
顔を背けて家の中に入った
夜ご飯になって
みんながリビングに集まった
みんなそれぞれ挨拶してから食べ始めた
私はまっけんと今日一緒に帰っていた
あの女の子のことが知りたくて
そわそわしていた
隣に座っている賢人くんにそう聞かれる始末だ
私がそう言うと
大志くんからちがう方向の話をされる
私はバレないようにちらっと健太郎くんを見た
こちらの話が聞こえているのか分からないけど
私の方は見ていなかった
その日の夜
コンコン
まっけんの部屋のドアを開けたのは
私だった
まっけんは私の声に反応して
こちらを振り向いた
やばい、これじゃあ嫉妬して
問いただしてるみたいじゃん...!
なにそれ、早く私を部屋から追い出したいみたいな...
そう言って私の頭を撫でてまた
元いた位置にもどるまっけん
本当に...こんなに気にしてるのは私だけなんだ
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。