私と紫耀くんが並んで凌くんの前に立つと
凌くんは驚いた顔で私たちを見ていた
凌 side
やっぱりこの人は違う
僕はこの人になら.......
心を許せる気がした
昼休みが終わって
教室に帰る
果耶 side
やっば、紫耀くんの気持ちがバレるとこだった...!
下手に背中押せないな、これは...
放課後
今日は果耶がテニス部に顔出しに行くと言っていたから
一人で帰ることにする
すると
目の前に亮くんが歩いていた
亮くんと打ち解けたいと思ってたところだった...!
これはチャンス...!
そう思って話しかけようとすると
...!?!?
もしかして、あの人...
入学式の日、一緒に体育館まで走った...
私は遠い記憶のようになっていたその人を
思い出した
そういえば、あのあと名前を聞き忘れて...
でも校内で会うだろうって思ってて今日に至る...
私は余計に話しかけようと決心して声を上げた
2人が同時に私を見る
あ、亮くんが自然に笑ってる
その人は考えているそぶりを見せた
亮くんと優太くんはそう言って行ってしまった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!