清野さんと...倫也くん...?
大切な、人...?
清野さんが私のいる方に歩いてくる
私は咄嗟に本棚に身を隠した
清野さんは気が付かずに図書室を出ていった
その後の倫也くんの様子を伺う
倫也くんは呆然としていたけど
私が聞いていたことはバレてないみたい...
すると、肩を誰かに叩かれた
私が後ろを振り向くと
そこにいたのは涼真くんだった
慌てた私の顔を見てから
涼真くんは少し笑って私の手を掴んだ
そしてそのまま図書室を出た
私はされるがままでついていくしかなかった
その様子をカウンターに入った倫也が
見ていたのだった
私が涼真くんに連れてこられてきた場所は
なんと屋上だった
もしかしてここに...
まっけんがいたり、なんてことが...
隣に立つ涼真くんが私に聞く
涼真くんについて行きながら
屋上を見渡してみる
向こうの方にいつも私がいるシェアハウスの
集団がいた
あ、今日は工藤先輩もいるんだ...
...ん?あれって、真宙先輩...?
私は言われるがままに涼真くんの隣に
腰を下ろした
涼真くんがそう言いかけた時
菜奈先輩の声がした
みると、奥の方から歩いてくる菜奈先輩の姿が
菜奈先輩がそう言うと
涼真くんは悔しそうな顔をして
私たちの前から走り去っていった
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。