駅から歩く道中
私は出来るだけ流星くんに寄らないように歩いた
さっきの光景がまだ頭の中を回っている
どうしよう...
こんなんじゃ全然集中できない...!
すると、横に遥亮くんが並んできた
私はまだ心臓の音が聞こえているのを
誤魔化すように明るく言った
そう言って嬉しそうに笑う遥亮くん
...どういうこと?なんで笑顔なの?
遥亮くんはまた笑顔になると
私の横から紫耀の横に走っていった
どっちつかず...か
私、まっけんのことが好きだったのに
流星くんにもドキドキしちゃってたし...
たしかに、どっちつかずなのかも
でも...
まっけんにちゃんと告白してちゃんと振られてから
このままみんなに好かれてたいな、なんて思う
誰に決めるなんて...決められないよ...
ショッピングモールに着くと
遥亮くんがそう提案した
いや、そこスルーでいくの!?
流星くん...私とがいいって...え!?
遥亮くんのバカ...!
そういうこと言いたいんじゃないのに...!
賢人くんの声で
みんなが動き出す
でも私だけがなんだか変な気分のまま、
歩き出した
全ての買い物をし終わって
今はベンチで休憩している
意外と量が多くて、
みんなで手分けしていたけど
私には持たせられないってみんなが言うから
私だけ何も持っていなかった
そういう...ことだったの...
みんなも...?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。