第116話

# 116
2,361
2020/06/13 08:00
私はお弁当を食べ終えると


部屋に戻ろうと立ち上がった








すると




山﨑賢人
山﨑賢人
...大丈夫か
賢人くんがいつの間にか私の隣にいた


あなた

賢人くん...!

そうだ、賢人くんにお礼言わなきゃ、
山﨑賢人
山﨑賢人
なんだよ、そんな泣きそうな顔すんな
あなた

...!

私の顔を見て


真剣な顔で言う賢人くん



あ、なんか...今...


私の心臓がなにか音を立てた気がした



山﨑賢人
山﨑賢人
あなた、今はいろいろ言われてるかもしれないけど...気にすんなよ
あなた

...え?

それだけ言って私の頭に手を置くと


賢人くんは立ち上がっていってしまう




私も...言いたいこと言わなきゃ、






あなた

賢人くん!

山﨑賢人
山﨑賢人
ん?
あなた

お礼、言わなきゃって思って

山﨑賢人
山﨑賢人
お礼?
あなた

今日の昼休みの時...
みんなが私のことを言ってたけど、賢人くんが止めてくれたでしょ...?

山﨑賢人
山﨑賢人
あー... あの時のことなら、俺が勝手にやった事だし
あなた

私のこと気にして言ってくれたんだよね...?本当にありが...

山﨑賢人
山﨑賢人
だから、違うって言ってんだろ
俺が勝手にやっただけ
あなた

そんな謙遜しなくても...

山﨑賢人
山﨑賢人
謙遜なんかしてねえよ
あなた

え...?賢人...くん...?

山﨑賢人
山﨑賢人
...ごめん、俺今あなたの顔見れねえ
あなた

賢人くん!


賢人くんは私の目を見ずにそういうと


リビングから消えていった















どうして...


どうして私の前からみんな居なくなるの...?


私の何がいけないの...?































私はそのあとお風呂に入って洗面所に向かった


歯磨きをして寝るために




今日は...早く寝て、いろんなこと考えずに済ませたい





私が歯ブラシをとった時





平野紫耀
平野紫耀
あ...
私が何気なく見た鏡に


紫耀が映っていた




あなた

紫耀、


私を見た紫耀はどこか悲しそうな顔をしていた


でもそれは一瞬のことで


すぐにいつもの顔に戻った




平野紫耀
平野紫耀
もう寝るの?早いね、
あなた

ちょっと...いろんな事、考えたくなくて

平野紫耀
平野紫耀
たまには逃げるのも大事だよね、
あなた

うん...そうだね、

平野紫耀
平野紫耀
.......

...前みたいに話せない


私はそう思った


紫耀と前みたいに楽しく友達として話したいのに


紫耀に...壁を作られてるみたいな


変な距離を感じる


前はこんなもの無かったのに...


また、私の前から大切な人がいなくなるの...?





あなた

...紫耀

平野紫耀
平野紫耀
...ん?
あなた

私のこと...避けてる?

平野紫耀
平野紫耀
え?
あなた

ごめん、勘違いだったら悪いんだけど...

平野紫耀
平野紫耀
.......
あなた

前みたいに気軽に話しかけられないのは...
私の、せいなのかなって...

平野紫耀
平野紫耀
.......
あなた

...ごめん、やっぱ今の忘れて

平野紫耀
平野紫耀
...そうだよ
あなた

え...?

平野紫耀
平野紫耀
俺は、あなたに気持ちを伝えてから...ずっと気にしないフリしてた
あなた

.......

平野紫耀
平野紫耀
諦めようって何度も思った
でも...それは自分の気持ちに嘘をついてることになるって気づいた
あなた

.......

平野紫耀
平野紫耀
あなたが悲しい顔してたら俺なら悲しませないのにって思ったり、誰のことが好きなのか分かった今でも、俺の事を見てほしいって思ったり...いつだって、あなたのことが気になってた
あなた

...!

平野紫耀
平野紫耀
菜奈先輩のことが気になってるんだって言ったのも...全部嘘
あなた

嘘...?

平野紫耀
平野紫耀
あなたのこと...必死に諦めようとしたけど
無理だった
あなた

紫耀...でも、私...

平野紫耀
平野紫耀
俺のこと...好きになればいいのに














































それから私は


しばらくして歯磨きを終えてその場を去った



紫耀への答えは...何も言えなかった


私が何か言ったら...


紫耀までも目の前から居なくなってしまいそうで


私のことをもう見てくれなくなりそうで


怖かった




ほんと、私って最低だ


好きでもない人のこと、1人になりたくないからって


手放さないように見放されないように


ちゃんとはっきり気持ちを伝えないで



これこそ、人の気持ちを弄ぶって言うんだろうな...





























まっけんが明日帰ってきたら


絶対に話をしなきゃ行けない


ちゃんと自分の気持ち...確かめないと

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