第9話

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2019/06/06 09:21
君がいなくなってしまったこの世界に意味なんてあるのかな。
生きる意味を失って、しんどくなって、リスカして、死にたくて、
でもそんな勇気なくて…だから消えたくて。
君の笑顔を見るためだけに僕は生きてきた。
君が楽しそうにしてくれるから、また生きようと思えた。
そんな唯一の君がいなくなってしまったのなら、もう生きる必要もない。
君の笑顔を見られないのなら
声が聞けないのなら
一緒にいられないのなら
意味なんてない。
もうこれ以上頑張れない。
もうこれ以上生きることなんてできない。
君と交わした最後の約束も果たせなくなるけれど
仕方ないじゃないか。
もう疲れてしまった。
二人で過ごしあった、
笑いあった、
楽しかったあの記憶を思い出さないようにした。
忘れようとした。
でも忘れることなんてできなかった。
だから、ただの夢だったのだと自分に言い聞かせた。
それでも君との思い出は
いつまでたっても消えてくれなかった。

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