とある場所にある、廃れた屋敷にて_
琴颯side
僕の日課
朝 鍛錬
昼 雄英生の護衛
夜 鬼狩り
大きく分けるとこれが最近の僕の日課だ。
が、前には無かったものがつい最近
本当に本当につい最近、追加された。
切島鋭児郎、爆豪勝己、緑谷出久の3名が、僕に戦い方を教えてくれと言ってきたのが原因だった。
そして何故か、僕はそれを受け入れ
朝の鍛錬の時間に戦い方を彼らに教えることになった。
こんな様子で、今日で2週間目になる。
どうして、こうもこの3人には甘くなるのか…
いや、分かってる。
3人というより…
どうして彼に甘くなってしまうのか。
それはきっと、恋愛感情からではない。
…似ているんだ。
兄に。
彼ほどではないにしろ、口が悪いところや声、不器用に優しいところ、仕草、あらゆるところが似ている。
だからきっと、彼に甘くなってしまうんだ。
学校に向かう途中の、突然の出来事だった。
動こうとした、その時だった
僕は、どこかで聞いたことのある声を最後に意識を手放した。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!