第57話

五十六話
512
2021/05/02 02:20




わかんない。



私が?殺した?




あの現場を知ってるの?



見たの??





誰が??






あなた『ッ…あ、ッ』




息が次第に苦しくなる。





手が震える。


記憶がよみがえってくる。






あなた『私が殺した…私が…私が』







私はダッシュ寮に帰った。






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あなた『はぁ、はぁ、ちょっといい?紗奈ちゃん?』



紗『いいですけど…?』




私は寮に帰って速攻紗奈ちゃんを呼んだ。






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あなた『紗奈ちゃん正直に、見たでしょ?』





紗『なんのことだか??』



あなた『嘘つかないで、見たんでしょ?』






紗『…はいそうです』






あなた『なんでッ!!』




紗『私の術式は幻想』




紗『いま、あなたにもあなた以外にも私の術式をかけています』





紗『だから皆、あなたの事を避けているんです』




紗『親を殺したという幻想を作ったから』






あなた『なんで…何をそこまでして何をしたい?』




紗『貴方を殺したいできるだけじんわりと』





あなた『あなたは誰なの?』





紗『紗奈一美。昔。どこかであなたと関わっていますよ』






あなた『は?知らない。覚えてない』





紗『それはそう。私が貴方にとって私をいない事として術式をかけたから』






あなた『今すぐ解いて!!』






紗『無理です。私の術式でも私が解除する方法はありませんので』





紗『自分で鍵を見つけるしかありませんよ』





あなた『ッ…』




紗『では…』




そう言って紗奈ちゃんは私の部屋から出ていった。







あなた『鍵…』




私にとって鍵となる場所。





あなた『あの神社…あの山…』




私は寝ているリスを抱えてあの山へ飛び出した。








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