わかんない。
私が?殺した?
あの現場を知ってるの?
見たの??
誰が??
あなた『ッ…あ、ッ』
息が次第に苦しくなる。
手が震える。
記憶がよみがえってくる。
あなた『私が殺した…私が…私が』
私はダッシュ寮に帰った。
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あなた『はぁ、はぁ、ちょっといい?紗奈ちゃん?』
紗『いいですけど…?』
私は寮に帰って速攻紗奈ちゃんを呼んだ。
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あなた『紗奈ちゃん正直に、見たでしょ?』
紗『なんのことだか??』
あなた『嘘つかないで、見たんでしょ?』
紗『…はいそうです』
あなた『なんでッ!!』
紗『私の術式は幻想』
紗『いま、あなたにもあなた以外にも私の術式をかけています』
紗『だから皆、あなたの事を避けているんです』
紗『親を殺したという幻想を作ったから』
あなた『なんで…何をそこまでして何をしたい?』
紗『貴方を殺したいできるだけじんわりと』
あなた『あなたは誰なの?』
紗『紗奈一美。昔。どこかであなたと関わっていますよ』
あなた『は?知らない。覚えてない』
紗『それはそう。私が貴方にとって私をいない事として術式をかけたから』
あなた『今すぐ解いて!!』
紗『無理です。私の術式でも私が解除する方法はありませんので』
紗『自分で鍵を見つけるしかありませんよ』
あなた『ッ…』
紗『では…』
そう言って紗奈ちゃんは私の部屋から出ていった。
あなた『鍵…』
私にとって鍵となる場所。
あなた『あの神社…あの山…』
私は寝ているリスを抱えてあの山へ飛び出した。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!