(ふっ、やっぱりね"結果は分かっていた)
(あの二人の間に割って入ることなんか…)
(そうかもしれないね)
そのころ、トッツーは。
やっとミツの現状を教えてもらい。
(そうなんだ俺のこと、それだけ見ていて理解しててくれていたんだな、ふっ)
そう思い、嬉しくなる。
・藤ヶ谷side
やっと会えた、ひろの顔は涙でグシャグシャで。
そのとき、スマホが鳴り。
(なに顔を赤くしているんだよ、クスクスッ、か~わい)
手のひらを差し出すとピョコンとそこに乗り胸元のポケットの中へ入れたら顔を出してニコッと微笑んだ、その天使のような笑顔に心がトキメく。
その日の夜、夕飯とお風呂が済んだあと俺は、ひろを目の前に座らせ瞳をジッと見つめながら。
そう言うと少し考えてからコクンと頷き、トルルル
涙ながらに頷くひろ。
「元気でいるから」そう伝えると、おばさんは。
照れながら、俺の方を見つめるひろ。
(ばぁーか、クスッ)
(えっ、今なんて言った?)
(いいなこの母子、昔から見てきたけれどホント互いを思いやり)
(うんって紹介するまでもないだろ)
が、俺はそれよりさっきの言葉が気になっていた「めっちゃ好きな人それって俺のこと」そう思い。
・北山side
それから、母さんの声を聞き元気をもらった俺は。
突然そう言うと、太輔は顔をしかめ。
「えっ、俺ってそんなに信用ない?」すると。
(あれあれ照れてる?もしかして…頬が緩んでいるし太輔さん、どしたの?)
ジーッと見つめれば、焦ったように眼を背け。
(なわけないか…アハッ)
(こいつは横尾さんが好きなんだから)
(どうもすみませーん…)
「もしもし」っと掛ければ「はいはい」っと返してくれる。
(そうなんですか?俺はてっきり)
(なんだろ?このやり取り、よく分からない)
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!