第29話

もう1つの世界(Real)①北山side
232
2020/06/24 01:00
※この作品は、北山さんが「日本人妻」に出演していた時の作品です。

(俺は夢を見ているのかな?)

藤ヶ谷
おはよ北山、ニコッ
北山
お…はよ


(目を覚ましたら何故だか藤ヶ谷が俺んちにいてよ)

藤ヶ谷
顔、洗ってくれば御飯できてるから


(キッチンで朝飯を作っていて)

北山
あ、うん


小首を傾げつつ洗面台へと向かう俺「待て、昨日…俺たち何をしていたっけか?」

北山
うっお~なにこれ美味しそう


(んっ?なんか頭の中に映像が流れ込んで来たぞ)

藤ヶ谷
北山
北山
あっ、いま行く


(藤ヶ谷さんが呼んでいる)

急ぎ洗面を済ませリビングに戻れば、テーブルの上には既に朝食が並べられていて。

藤ヶ谷
はい納豆、ニコッ
北山
あ、あぁ…Thank you


ニコニコと、まるでいつも横尾さんに向けているような笑顔で俺に納豆を差し出す藤ヶ谷。

(分からない…)

藤ヶ谷
どうかした?
北山
…んにゃ


(この現状が意味するものが一体なんなのか?)

藤ヶ谷
今日の予定なんだけど
北山
はっ?
藤ヶ谷
んっ?
北山
あ、いや…なに
藤ヶ谷
北山はテレビの収録だろ俺は


1時間後…

藤ヶ谷
行ってきます、ニコッ
北山
おっ、おう
藤ヶ谷
あれ?いつものはないの
北山
へっ?
藤ヶ谷
今日はないんだ、クスッ
北山
…‥(何がです?藤ヶ谷さん)
藤ヶ谷
なら俺からするね
北山
???


その瞬間、自分の口にチュッと重なった藤ヶ谷の唇「えっ、えぇーっ!?」固まる俺の耳元で。

藤ヶ谷
続きは夜に、ニコッ


カァーッと耳まで顔が赤くなった「きっ、キングが、きっ…」

出川
おはようございます、あれ?北山くんどうしたのボーッとして


その後、どうやってテレビ局まで行ったのか。

マネージャー
迎えに行ったら、こんな感じで
出川
恋でもしちゃった?
マネージャー
誰にです?
出川
俺、ニヤッ
マネージャー
それはないですね
出川
なんで?ないことはないでしょ
こう見えても俺は


出川さんは、いつもと変わらない。

マネージャー
はいはい収録始まりますよ、クスッ


こうして1日は明け、この先の自分に新たな人生の1ページが開くきっかけになろうとはまだ思ってはいなかったこの頃「世の中には、もう1つの世界がある」だなんて。

北山
信じるかよバーカ
宮田
どうしたの?キタミツ


それから家へ帰ったら、いつもと変わらない部屋。藤ヶ谷の痕跡は忽然と消えていて…

北山
有り得ないっつうの
宮田
???
玉森
宮田、ミツどうかしたわけ
宮田
さぁ?


起きたとき洗面台には確かに2本の歯ブラシがあった、違和感を覚えながらも洗顔を済ませたのを今でもしっかりと記憶に残っている。

まるで、誰かと同棲しているかの如くキッチンにはペアカップや茶碗そして何よりもリビングに並んで置かれていた2人のあのギター。

ガチャ!

横尾
おはよう
宮田
あっ、ガヤさん横尾さん
藤ヶ谷
なに?宮田、朝から食らいついて来て
宮田
それがキタミツがさ
藤ヶ谷
んっ?


と、そこへやって来た横尾さんと藤ヶ谷。

宮田
さっきから様子が変で


ちらっチラッとその視線がこっちを見て続けざま、ガチャ!

二階堂
ミツおはよ~ギュッ
北山
うわっち、ニカ
千賀
おはよう宏光


とたん視線が外れ今日はレギュラー番組の収録日。

.
そろそろ始めますので宜しく
お願いします


藤ヶ谷は何事もなかったかのように横尾さんと話し「やっぱり、あれは夢か?にしては随分とリアルだったな」自然と指が唇に触れた柔らかい感触を思い出すかのように。

二階堂
ミツ
北山
…んなに?
二階堂
唇、荒れているの
北山
いや、ふっ


(もうやめよう気にするだけ無駄さ誰にでもある心の奥に秘めた願望)

それが夢として現れたのに過ぎないと、俺はこの時そう思い込もうとしてたのかもしれない視界に映る藤ヶ谷を見ながら。

数日後…

北山
お疲れっした~
二階堂
ミツ、飲みに行こう
北山
これから?
二階堂
明日、休みだしいいじゃん
北山
ふっ、しょうがねぇなぁ


この日、俺とニカは一緒に仕事をし。その帰り…

北山
うおっ、マジで!?
二階堂
佐久間が歌舞伎の舞台以降
三宅くんに夢中でさ
北山
ガハハッ、で?塚ちゃんと2人して
二階堂
乱入し大騒ぎしたらしい
北山
タマは?
二階堂
呆れてたよ、アハッ


宮田とタマはメンバー内でも公認のラブラブのカップル実は結構な妬きもち焼きでもあるタマがデビューしてからハジけ飛んでいる宮田にキレること数知れず、それをいつも隣でなだめているのが横尾さんと藤ヶ谷だった。

(この2人いま同棲しててよ)

北山
ふっ、同棲…か
二階堂
なに?どうかした
北山
んっ?いや
二階堂
この間からミツ変だよ
北山
んだか
二階堂
誰かと同棲でもしたくなっちゃった
わけ?
北山
えっ
二階堂
なんだったら俺が
北山
お前とは、ぜーったいに無理
二階堂
ちぇっ


(こいつの綺麗好きは半端ないから俺ついていけないもん息が詰まりそ)

それからニカと別れ自分のマンションへ帰り着いたのが午前0時「アルコールが残っている状態で入浴してはいけません」

(だっけか…ふっ)

北山
よし寝るとすっか


夢うつつ誰かの温もりを布団の中で感じた気がした

北山
ん~藤…ヶ谷?
藤ヶ谷
クスッ


あまーい香りと共に…

翌朝「北山…起きて‥北山」(誰だ俺の名を呼ぶのは)
眼を開けると窓から差し込む陽の光りを背にし覗き込んでいる見知った顔があった。

北山
わっ、藤ヶ谷!?
藤ヶ谷
なに?そんな驚いた顔をし、クスッ
北山
えっ


(まただ…)

藤ヶ谷
いい加減に起きたら
北山
今…何時?
藤ヶ谷
10時、せっかくの休みなんだしさぁ
北山
ぁ…‥


(これこの間の夢の続きか?)

キョロキョロと辺りを見渡し「うん、この景色覚えている。しかしなんで?夢って普通続き見ないものなんじゃ」

藤ヶ谷
どうかした?こっちへおいで、ほら


ニコッと笑い、俺を手招きする藤ヶ谷。

北山
あ、うん


こういった場合、相手に合わせるしかない。

藤ヶ谷
座れば?


ポンポンとソファーで自分の隣を叩く。

北山
じゃ、お邪魔します
藤ヶ谷
クスッ、変な北山
北山
あはっ


(なんだか照れ臭い…)

と、グイッと頭に手をかけ向けられて俺の顔をジーッと見つめ。

藤ヶ谷
この間から、なんか変だよ
北山
俺が?
藤ヶ谷
そう


(んーこれは現実?はたまた幻)

藤ヶ谷
今日は、なんの日だか知っている
北山
んっ?


キョトンとした顔をしていると。

藤ヶ谷
俺が北山に付き合いを申し込んだ日
じゃん忘れちゃったの?


(えぇーっ!?)

頭の中がパニクに陥る、一体なにが起きているのかついてはいけず。

藤ヶ谷
困ったちゃんだね


(げげっ、藤ヶ谷が藤ヶ谷がぁ~)

北山
ちょ、ちょーっとトイレに行って来る


ドタドタドタ!

クスクスクスッと 後ろから笑い声が聞こえた「俺、おちょくられているのかな?」