第14話

追跡①藤ヶ谷→北山side
387
2020/06/15 03:56
翌日ー

(そっか今日は入学式だったっけ、あいつニカが入って来るんだよな)

本来なら、おめでとうって言ってあげたい。でも…
二階堂
俺、ミツに何かあったらガヤのこと
絶対に許さないから


声を掛けずらいし。

横尾
太輔
藤ヶ谷
んっ?あぁ、ワタおはよう
横尾
ニカには俺から話しておいた
藤ヶ谷
えっ
横尾
太輔はミツのこと心配し捜し回って
いるって
藤ヶ谷
あいつ、なんて?


「だったら突っ張んなきゃいいのに素直じゃねんだからさ」(ふっ…)

横尾
あいつはミツのこと大好きだから
藤ヶ谷
知っている
横尾
直接、謝りたい終わったら体育館の裏に来て欲しいだって
藤ヶ谷
そう言ったの
横尾
うん
藤ヶ谷
Thank Youワタ、ありがとう
横尾
どう致しまして、ふっ


(ニカ、俺だってお前のこと大好きなんだから)

藤ヶ谷
ニカ
二階堂
ガヤ…
藤ヶ谷
入学おめでとう、ようこそ我が高へ
二階堂
くっ、俺、俺、ガヤが悪いんじゃないって分かっていた、なのに
藤ヶ谷
もういいよ、ふっ
二階堂
よかない
藤ヶ谷
ニカ
二階堂
ごめんなさい当たってしまって
本当にゴメン
藤ヶ谷
仲直り、なっ?ニコッ
二階堂
ガヤ
藤ヶ谷
あいつもきっと喜ぶ
二階堂
うん、んふふっ


兄弟のいないひろは、ニカを本当の弟のように可愛がって来た。俺だって…

藤ヶ谷
ところで、いい奴いた?
二階堂
それがさ、うふふ


(ひろ、お前がいない間は俺がこいつの兄貴役をやってやるから安心していな)

二階堂
んふっ、んふふふっ


ニカの笑いが止まらない、なんでも入学式で一目惚れしたとか。

藤ヶ谷
どんなやつ?
二階堂
名前は千賀健永、俺達めっちゃ
気が合ってさ
藤ヶ谷
良かったじゃん
二階堂
ミツに1番に報告したかったんだけど
藤ヶ谷
ニカ
二階堂
あっ、ゴメンこれからそいつと一緒に帰るんだガヤ会っていってよ
藤ヶ谷
俺が?
二階堂
ミツの代わりに
藤ヶ谷
分かった


(ミツの代わり…か、そうかニカもそう思っていてくれてたんだな)

それを知り、嬉しくなる。

二階堂
おーい千賀
千賀
ニカ


すると向こうからやって来た猿?いやゴリラみたいな奴が笑顔で手を振っていて。

千賀
初めまして千賀健永です、ニコッ


(おっ、以外と可愛いじゃん)

藤ヶ谷
藤ヶ谷太輔、ニカのこと宜しく頼む
千賀
ガヤさんでしょ
藤ヶ谷
はっ?
千賀
ニカがそう言ってた、だから俺もそう呼ぶことにする
(あはっ、なつっこい奴。でも良かった、ひろがいなくなり落ち込んでいたニカもこれで少しは気が晴れるだろうし頼むな健永)

そして俺は、また郁人とワタの3人で、ひろを捜す手掛かりを探るため再び橋本良亮の家へと向かったんだ彼奴が、あそこから消えた要因が何かあるはずと。







・北山side
塚田
ふんふんふん


鼻唄まじりに、掃除をしている塚ちゃん。

北山
なぁ五関は?
塚田
どこかに出掛けたんじゃない
北山
どこかって?
塚田
ハッシーの家とか
北山
あの妙ちくりんなロボットを作って
いるガキか
塚田
知っているの?
北山
だって俺、あそこから連れて来られ
たんだもん
塚田
そうなんだ?


(五関とハッシーの関係って?)

塚田
ハッシーはね河合の親戚でもある
けれど五関の弟分でもあるんだ


(へぇ~俺がニカを可愛がってるのと同じってこと)

塚田
それより、ちょっと出掛けない
北山
んっ?


1時間後、何故だか俺は塚ちゃんと新宿の街にいた

塚田
今日も絶好調だ


道端で、ストレッチをしている塚ちゃん。

北山
みんな見てるぞ
塚田
だから?オイッチにオイッチに


と、そのとき。

宮田
塚ちゃん
塚田
宮田


(あら…)

偶然に遭遇したこの二人は路上に座り込み、ぺチャクチャ喋り出して。

宮田
もしかしてタワーレコードへ行くの
塚田
宮田はアニメートに行くんでしょ
宮田
せいかーい


退屈だな、そう思っていた俺の眼に宮田のリュックが飛び込んで来る。

(そういえばお腹が空いた、もしかしたらあの中に
何か食いもんでも入ってるかもしれない)

瞬時に身体は動き、モゾモゾ「よいしょっと、わわっ
ズボッ、えっ…」

塚田
じゃ~ねぇ
宮田
また明日、学校で


「うおっ、動く!?つうか真っ暗でよく見えない」
リュックの中へ墜落した俺に気づかず。

宮田
アニメート、アニメート、んふふっ


(バカ、こいつスキップしているだろ!あわわわっ、普通に歩け)

なーんて、聞こえるわけもなく。

北山
止まった、うえっ、気持ち悪っ
酔ったかな


暫くすると、また。

北山
うぎゅ~潰されるぅ宮田リュックを
護れよリュックを


誰かが、こいつの後ろから押してるのかギュウギュウ潰してきて。そんな事が、何度も繰り返され。

北山
ふぅ~死ぬかと思った


やっと静かになり…

宮田
もしもしタマ?


(んっ?)

宮田
えっ、本当に?うちに来る待ってて
今すぐ帰るから


ダダダッ!

(んぎゃあ~走るなぁ歩けこの、とんだ災難だ…)




プリ小説オーディオドラマ