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第1話

始まりは突然に①北山side
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2020/06/12 02:51
幼馴染み、子供の頃から仲が良く一緒に遊んでいた間柄「幼馴染み…」それは幼き日の淡い想い出。

北山
たーすけ、たーすけ
藤ヶ谷
どちたの?ひろたん
北山
ひろね、たーすけのことが
だいしゅきなの
藤ヶ谷
たーすけも、ひろたんのこと
だいしゅきだよ
北山
でもママが、たーすけとひろは
結婚できないってゆうんだ
藤ヶ谷
んー結婚って、だいしゅきな人と
いっちょにいることだよね
北山
そう
藤ヶ谷
たーすけは、ひろたんといちゅまでもずーっといっちょにいたい
北山
ひろも
藤ヶ谷
やくしょく、ニコッ
北山
やくしょくやくしょく、んふふっ


夢を見た…

ひろ、早く起きなさい学校に
遅刻するわよ


それは、小さかった頃の俺と藤ヶ谷で。

北山
ほーい今、起きた


(ふっ、懐かしい)

あの頃は、男とか女とか関係なく素直に好きと言えたけれど今は。

北山
ふあぁーっ
なんですか大きなアクビをして、今日から新学期なのよシャキッとしなさい
北山
はーい


俺は北山宏光、近くの男子校に通ってる高校3年生

二階堂
ミツうぅ~
北山
おはよニカ


こいつは従兄弟の二階堂高嗣、数日後には俺の高校へ入学してくる言わば新入生だ。

北山
準備は整ってるか?
二階堂
もちろん俺、今から楽しみに
しているんだ


(可愛いやつ、ふっ)

二階堂
どんな出会いがあるのかな恋なんか
しちゃったりしてさ、んふふっ


(おい…うちは男子校だぞ、あんまり大きな声で言うな変な眼で見られてしまうだろ)

自分に正直なニカは昔っから性癖を隠すことなく、そのため両親は苦労したという。

二階堂
ガヤとは相変わらず?
北山
うん、まぁ…な


ガチャ!
ひろ、何をやっているの
早く行きなさい


(おっとやべぇ~)
北山
じゃあなニカ
二階堂
いってらっしゃーい


いつものように自転車に乗り、通学路をひた走る。
キンコンカンコーン!

北山
ぎりぎりセーフ
屋良
何がセーフだ
北山
うおっち屋良っち、おっはよーう
屋良
屋良先生だろ
宮田
キタミツうぅ、こっちこっち~
北山
宮田!


ダダダダッ!

屋良
こらったくしょうがないなもう、ふっ


こうして、今日も1日が始まりを告げ俺達は新しい明日へと突き進んで行く。

宮田
でね俺、タマに告ったんだ
北山
ふーん


こいつの名は、宮田俊哉。

宮田
でも、まだ返事をもらってない
んだよなぁ
北山
それって、いつの話し?
宮田
かれこれ1週間前、ああっ、タマあぁ


ドドドドドッ、話の途中ですっ飛んでく宮田。その先にいるのが通称ツンデレ王子の玉森裕太、あいつの想い人で二人とも高校2年生。

玉森
ミツ、おはよう
北山
おう、ニコッ
宮田
タマ、タマっ
玉森
今日も遅刻ぎりぎり?
北山
まぁーな、ふっ
玉森
たまには早く来なよ
宮田
タマだから、たまに~
玉森
‥‥‥


(あはっ、朝から滑ってやがる)

宮田
ターマあぁ~っ
玉森
うるさい!
宮田
シュン
北山
ガハハハッ


3年の自分の教室へ行けば、ドアの前で。

藤ヶ谷
ワタ、今日もお弁当を作って
来てくれたのか
横尾
ついでだからね、ニコッ
藤ヶ谷
Thank Youワタの弁当、美味しい
から好き
横尾
美味しいから?
藤ヶ谷
あっ、間違えたワタが好きだから
凄く嬉しい


(はいはい、朝からイチャついているんじゃねぇ)

横尾
ミツ、おはよう


横尾さんが、俺に気づき挨拶してくる。

北山
おっ、ふっ


横尾渉、俺と同じ3年生…そして、こいつが。

藤ヶ谷
じゃあねワタ、後で昼休みに


俺を無視し去っていく藤ヶ谷太輔、幼馴染みの高校2年生。

北山
ふんっ、どうせ俺はめり込んでいる
から小さくて見えないですよ~だ
横尾
ミツ、なに独りでブツブツ
言っているの?
北山
別に~
横尾
先生、来ちゃうでしょ早く中へ入ろ
北山
ほーい


(藤ヶ谷のバカ…)

いつの頃からだろ彼奴が俺を無視するようになったのは?たぶん高校に入ってから、それまでは行きも帰りもくっついて離れなかったくせに…1年遅れて入学して来た彼奴は俺じゃなく横尾さんを見ていた
なんでも暴走族に絡まれているのを助けてもらったらしい、以来…

藤ヶ谷
ワタ、ワタ


藤ヶ谷は乙女の如く笑顔を振りまき、俺には絶対に見せない可愛い顔をしまとわりついている。

北山
はぁーあ…
河合
なに乙女チックな溜め息
ついちゃってるわけ
北山
うおっ、郁人!?いつからそこに
いたんだ?
河合
さっきからいるけど


昼休み教室でボーッとしていたら、とつぜん声を
掛けられ河合郁人、藤ヶ谷と同じクラスのやつ。

河合
宏光さぁ、好きなら好きって
告ればいいじゃん
北山
なんの話し?
河合
この河合ちゃんの眼は節穴じゃあ
ないよ見ていて苛々するんだよね
北山
大きなお世話!
河合
だいいち、お前


そのとき、ガラッと扉が開き。

塚田
はいはいゴメンなさいね
五関
ちょっと失礼するよ


隣のクラスの五関晃一と塚田僚一がやって来て、
グイッと郁人の腕を掴むと。

河合
ちょ、なに!?塚ちゃん五関
塚田
トッツーがお呼びです
五関
行くところ間違えているでしょ
河合
俺は宏光を励まそうと思ってだなぁ
塚田
問答無用!
五関
浮気は許しません
河合
浮気いぃーっ
塚田
お邪魔しましたぁ
五関
北山、またねぇ
北山
あ、うん


連行されて行く…

北山
なんだ?あれ
玉森
さぁ、なんだろうね
北山
タマ!?お前もどうして、うちの
クラスにいるんだよ
玉森
宮田が煩くてさぁ
北山
あはっ


そんなこんなで、1日が過ぎて行き。
.
先生さようなら
.
さようなら~


放課後…

窓から外を見れば、ベタベタベタベタいちゃついているカップルが大勢いて。そう、この学校は同性愛が普通にまかり通る珍しいところで。だもんだからそういった連中がわんさか集まってくる。

屋良
北山、帰らないのか?
北山
人生って切ないっすね屋良っち
屋良
なに言っているんだ半分も
生きてない奴が
北山
んだか、ふっ
屋良
ほら帰れ
北山
ほーい
屋良
気をつけて行けよ


また自転車を漕ぎ、来た道を戻ってく。

が、もう俺達は元には戻れないのか?藤ヶ谷…そう思った次の瞬間に!

「プップップーッ」

いきなりのクラクションに驚き「ガッシャーン!」そこからの記憶がない、暫くして…

北山
アイテテテ、もうなんなんだよ~
ったくよ、んっ?


目の前に見える大きな動物の足、とたん!
「ふぎゃああーっ」

北山
わわわっ、猫!?んなバカな!こんな
デカイ猫がいるかぁーっ


逃げながら叫んだ。





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