幼馴染み、子供の頃から仲が良く一緒に遊んでいた間柄「幼馴染み…」それは幼き日の淡い想い出。
夢を見た…
それは、小さかった頃の俺と藤ヶ谷で。
(ふっ、懐かしい)
あの頃は、男とか女とか関係なく素直に好きと言えたけれど今は。
俺は北山宏光、近くの男子校に通ってる高校3年生
こいつは従兄弟の二階堂高嗣、数日後には俺の高校へ入学してくる言わば新入生だ。
(可愛いやつ、ふっ)
(おい…うちは男子校だぞ、あんまり大きな声で言うな変な眼で見られてしまうだろ)
自分に正直なニカは昔っから性癖を隠すことなく、そのため両親は苦労したという。
ガチャ!
(おっとやべぇ~)
いつものように自転車に乗り、通学路をひた走る。
キンコンカンコーン!
ダダダダッ!
こうして、今日も1日が始まりを告げ俺達は新しい明日へと突き進んで行く。
こいつの名は、宮田俊哉。
ドドドドドッ、話の途中ですっ飛んでく宮田。その先にいるのが通称ツンデレ王子の玉森裕太、あいつの想い人で二人とも高校2年生。
(あはっ、朝から滑ってやがる)
3年の自分の教室へ行けば、ドアの前で。
(はいはい、朝からイチャついているんじゃねぇ)
横尾さんが、俺に気づき挨拶してくる。
横尾渉、俺と同じ3年生…そして、こいつが。
俺を無視し去っていく藤ヶ谷太輔、幼馴染みの高校2年生。
(藤ヶ谷のバカ…)
いつの頃からだろ彼奴が俺を無視するようになったのは?たぶん高校に入ってから、それまでは行きも帰りもくっついて離れなかったくせに…1年遅れて入学して来た彼奴は俺じゃなく横尾さんを見ていた
なんでも暴走族に絡まれているのを助けてもらったらしい、以来…
藤ヶ谷は乙女の如く笑顔を振りまき、俺には絶対に見せない可愛い顔をしまとわりついている。
昼休み教室でボーッとしていたら、とつぜん声を
掛けられ河合郁人、藤ヶ谷と同じクラスのやつ。
そのとき、ガラッと扉が開き。
隣のクラスの五関晃一と塚田僚一がやって来て、
グイッと郁人の腕を掴むと。
連行されて行く…
そんなこんなで、1日が過ぎて行き。
放課後…
窓から外を見れば、ベタベタベタベタいちゃついているカップルが大勢いて。そう、この学校は同性愛が普通にまかり通る珍しいところで。だもんだからそういった連中がわんさか集まってくる。
また自転車を漕ぎ、来た道を戻ってく。
が、もう俺達は元には戻れないのか?藤ヶ谷…そう思った次の瞬間に!
「プップップーッ」
いきなりのクラクションに驚き「ガッシャーン!」そこからの記憶がない、暫くして…
目の前に見える大きな動物の足、とたん!
「ふぎゃああーっ」
逃げながら叫んだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。