第23話

夏祭り③藤ヶ谷→横尾side
251
2020/06/21 01:00
ひろは小さいせいか、ちょくちょく眠くなるみたいで「まっ、前からよく寝るやつだったけど」それが身体が縮んだことで俺らより体力が消耗するのか、なおのこと。

が、いきなりガバッと跳ね起きたら。

北山
何かしたろ?ジロッ


「あのね宏光くん、こんなに小さいんだからしたくてもできませんよ」それから暫くはブスーっとした顔をしていたっけ「あはっ…」

数日後、待ちに待った夏祭りの日。

北山
なぁ、俺おかしくね大丈夫かな?
横尾
うん凄く似合っている
北山
ほんと?Thank You横尾さん、ニコッ


(甲斐甲斐しくひろの支度を手伝っているワタ、まるで保護者みたい、クスッ)

横尾
太輔、できた?
藤ヶ谷
おう、ふっ
北山
…っ、カァーッ


振り向いたら何故だかひろが顔を真っ赤にし俯いた

藤ヶ谷
どうかした?
北山
なっ、なんでもない
横尾
クスッ、太輔の鈍感
藤ヶ谷
はっ?


そこへ…

河合
おーっす準備は出来たかぁ行くぞぉ
藤ヶ谷
うるせぇ郁人、外から叫んでるんじゃねぇ


ガラッと窓を開ければ、浴衣姿のトッツーと郁人の姿が。

河合
キャハハハ、気合いを入れてやりに
来たんじゃん
藤ヶ谷
はあっ?なんだよそれ
河合
頑張れよ


「ばぁーか、クスッ」それから…

藤ヶ谷
ワタ、本当に一緒に行かなくていいの
横尾
今回は二人で行ってくれば、ニコッ
北山
でも花火…
横尾
ミツ、花火は俺んちの2階からも
見えるんだよ
藤ヶ谷
ワタ
横尾
兄貴や親父、お袋と一緒に見る約束もしている
北山
んだか
藤ヶ谷
じゃ行って来る
横尾
うん、ニコッ


「気を遣ってくれているの?」このときはそう思っていた、まさか一緒に行けない理由があったなんて知らず。

カランコロン、カラン、下駄の音が夜道に響く黙ったまま二人しばらくすると徐々に人が増えて行き。

二階堂
あっ、ガヤとミツだ
千賀
やっほ~ガヤさーん


「ふふふっ」露店が並ぶ道へと出れば、更に混雑してきて。

五関
藤ヶ谷
藤ヶ谷
五関、あれ?塚ちゃんは
五関
あっち


指差す先には…

.
お客さーん、そろそろ他の方に譲ってもらえないですか?
塚田
なに言っているの?この黒い出目金はね俺に釣って欲しいって訴えているんだよ連れて行ってやらないでどうする


(はあっ?クスクスッ)

.
やれやれ、これじゃ商売あがったりだ


(あははっ…)

五関
もう恥ずかしくて
藤ヶ谷
五関も大変だね
五関
馴れたけど、クスッ
北山
なぁ?太輔
藤ヶ谷
んっ?
北山
俺、じゃがバターが食べたい
藤ヶ谷
OK、あと他には
北山
んーとねぇ


いくら人混みとはいえ小さいひろを人前に出すわけにはいかず、俺達は一通り露店を回ったあと神社の裏へ向かった。

北山
そういえばタマと宮田に
会わなかったな
藤ヶ谷
ぁ…‥


言われてみると、夏休み1度も会ってない。

藤ヶ谷
そろそろ始まるよ


石畳みに座り、ひろを膝の上に乗せその時を待つ。





・横尾side

太輔とミツの二人と別れた俺は家へと帰り、ガチャ

横尾
ただいまぁ~


扉を開ければ「お帰り」っと振り返った、その姿は

横尾
大丈夫だった?独りで
玉森
平気へいき~
横尾
なら良かった、ふっ


あれは夏休みに入ってすぐのころ、いきなり裕太が俺の前に姿を現したときにはマジで驚いた。

玉森
ガヤとミツ、行ったの?
横尾
うん、ミツ凄く可愛かったよ
玉森
上手くいくといいな、あの二人
横尾
大丈夫だよ太輔は決心を固めてる
それより
玉森
ワタ
横尾
んっ?
玉森
俺、ワタを好きになれば良かった
横尾
心にもないことを言って、クスッ
玉森
えへっ、バレたか
横尾
ふっ


宮田に知らせなくていいの?そう聞いたんだけど「恐くて絶対にできない」裕太は頑なに拒み。

(まぁ分からなくもないが、もし知りでもしたら大変な事になるだろうし)

ヒューン、バーン!

玉森
あっ、始まった
横尾
本当だ綺麗だねぇ


ヒューン、バンバンバーン!

玉森
ミツが幸せになれますように
横尾
太輔、頑張れ応援しているよ


二人、夜空に咲く大輪の花を見つめながら祈る。「どーか、どーかあの二人に幸せが訪れますように」と…