第24話

告白、そして①藤ヶ谷→横尾side
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2020/06/22 06:13
北山
うっお~綺麗、見てみ太輔
藤ヶ谷
あぁ、ふっ


花火を見つめ無邪気に喜ぶ、ひろ「ヒューン、バァーン、バンバン、バーン」

北山
すっげぇ連打だ、ちょ~綺麗
藤ヶ谷
ひろ
北山
んっ?
藤ヶ谷
こっちを向いて
北山
でも今、花火を見ているんだもん
藤ヶ谷
大事な話がある


そう言うと…

北山
はな…し?
藤ヶ谷
そう


ゆっくり、おずおずしながら俺の方を向き。

北山
なに?
藤ヶ谷
幼いときにした約束、覚えている?


「たーすけ、たーすけ」「ひろたん、どちたの?」

北山
ひろね、たーすけのことが
だいしゅきなの
藤ヶ谷
たーすけも、ひろたんのこと
だいしゅきだよ


コクンと、小さく頷くひろ。

藤ヶ谷
たーすけは、ひろたんといちゅまでもずーっといっちょにいたい
北山
ひろも
藤ヶ谷
やくしょく、ニコッ


「やくしょくやくしょく、んふふっ」

藤ヶ谷
なのに俺は、その約束を破った
北山
どうして…だわ‥クッ
藤ヶ谷
ひろ
北山
ずっと、ずーっと思ってた
なんで太輔は
藤ヶ谷
ごめん


深々と頭を下げる。

北山
太輔?
藤ヶ谷
今から言うことは、ひろを傷つけ悲しませてしまうかもしれないけれど聞いてくれる?
北山
いいよ
藤ヶ谷
ありがと、ふっ


俺は全てを打ち明けたんだ、ひろが高校へ入学したとき近所の人とおばさんが話していたことを。

普通に恋愛して、いい子をお嫁さんにし孫が生まれ私の細やかな望みよ


それを聞き自分はこれ以上ひろの傍にいてはいけ
ないと思ったこと、するとひろは。

北山
バカだわ、クッ
藤ヶ谷
ひろ
北山
太輔は大バカやろうだ


眼にいっぱい涙を溜め。

北山
んなの知ってた母さんが望んでいる
ことなんて
藤ヶ谷
えっ
北山
それでも俺は太輔が大好きだから
一緒にいたかったのに
藤ヶ谷
ごめん
北山
俺、嫌われてしまったんじゃないかって…めっちゃ辛くて
藤ヶ谷
そんなことはない
北山
だったら、ヒクッ


俺は俯き泣いているひろの顔をそーっと持ち上げ、その瞳を見つめ…

藤ヶ谷
愛しているよ、ひろ
北山
太…輔‥グスン
藤ヶ谷
愛している昔も今もこれからも
ずーっと、ニコッ
北山
ううっ、俺も、ヒクッ、俺も太輔のこと


言いかけた唇に、そっと自分のを重ねた小さな、
小さな…‥(えっ?ちっ…ちゃくない!?)

確かめるように腕を回したら、手のひらに触れた、
ひろの背中ギュッと強く抱きしめてから眼を見開くと、同じように大きな瞳をクリっとさせ見開いているひろの顔があって。

藤ヶ谷
ひろ?
北山
太輔、俺、元に戻っている
藤ヶ谷
ひろ


ぎゅーっと、再び抱きしめ合い。

北山
んっ?
藤ヶ谷
どうした
北山
ちょーっと待てマジで?わわわっ
嘘だろ~
藤ヶ谷
えっ、なに?
北山
俺、素っ裸じゃん
藤ヶ谷
あぁーっ


もう笑うしかない…

北山
太輔、服、どうにかしてくれ
藤ヶ谷
そんなこと言われたって


小さいなら何とかなるけれど大きくなったら、結局はワタに連絡をし。

横尾
ククククッ、あはははっ


(笑いごとじゃない、これじゃムードもへちまもあったもんじゃない、でも本当に良かった、これでおばさんにも会いに行ける)







・横尾side
横尾
しっかし余分に浴衣を持っていて
良かった、ふっ


とつぜん呼び出され二人の所へ行ったらミツが元に戻っていて「えっ?なんで、どうして」そう思ったけれど二人の嬉しそうな顔に俺の心も和む。

北山
うおっ、横尾さんThank You
んふふっ
藤ヶ谷
似合うじゃん、さっすがワタ
センスがいい
横尾
とうぜん、ふふふっ


そこへニカたちも合流し。

二階堂
ミツ!
北山
ニカあぁーっ、ギュッ
二階堂
良かった、ミツ
千賀
改めて自己紹介するね俺の名は
千賀健永、よろしく
北山
マイケル・ジャクソンだろ、ニヤッ
千賀
おう


(あははっ、クスッ)

千賀
でも思った以上に背が高くないね、ニッ
北山
小さいって言うじゃねぇ


(いや、言ってないし)

五関
北山、良かったね
北山
五関、いろいろとありがとな
五関
どう致しまして
塚田
小さい北山、けっこう面白かったんだけどな
五関
塚ちゃん
北山
冗談じゃね、もうまっぴらゴメンだ
河合
キャハハ、背が小さいのは相変わらずだけど
北山
お前だって、俺と大して変わらない
じゃん
戸塚
北山、ふっ
北山
トッツー
戸塚
これで藤ヶ谷と堂々とデートができるね、んふふっ
北山
でっ、でぇ…カァーッ
河合
あらら顔が真っ赤っか、クスッ
北山
うるさい郁人!
河合
キャハハハ


ともあれ皆ホッとひと安心し、それぞれ帰宅の徒につく。




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