花火を見つめ無邪気に喜ぶ、ひろ「ヒューン、バァーン、バンバン、バーン」
そう言うと…
ゆっくり、おずおずしながら俺の方を向き。
「たーすけ、たーすけ」「ひろたん、どちたの?」
コクンと、小さく頷くひろ。
「やくしょくやくしょく、んふふっ」
深々と頭を下げる。
俺は全てを打ち明けたんだ、ひろが高校へ入学したとき近所の人とおばさんが話していたことを。
それを聞き自分はこれ以上ひろの傍にいてはいけ
ないと思ったこと、するとひろは。
眼にいっぱい涙を溜め。
俺は俯き泣いているひろの顔をそーっと持ち上げ、その瞳を見つめ…
言いかけた唇に、そっと自分のを重ねた小さな、
小さな…‥(えっ?ちっ…ちゃくない!?)
確かめるように腕を回したら、手のひらに触れた、
ひろの背中ギュッと強く抱きしめてから眼を見開くと、同じように大きな瞳をクリっとさせ見開いているひろの顔があって。
ぎゅーっと、再び抱きしめ合い。
もう笑うしかない…
小さいなら何とかなるけれど大きくなったら、結局はワタに連絡をし。
(笑いごとじゃない、これじゃムードもへちまもあったもんじゃない、でも本当に良かった、これでおばさんにも会いに行ける)
・横尾side
とつぜん呼び出され二人の所へ行ったらミツが元に戻っていて「えっ?なんで、どうして」そう思ったけれど二人の嬉しそうな顔に俺の心も和む。
そこへニカたちも合流し。
(あははっ、クスッ)
(いや、言ってないし)
ともあれ皆ホッとひと安心し、それぞれ帰宅の徒につく。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。