第2話

Episode1
1,395
2021/03/04 13:05
藍山ころん
ちょっ、まって、、、
引っ張んないで、、、
桃原くんは僕の腕を引っ張ってずんずん進んでいく。
どこに行くつもり?




着いた場所は屋上。
というか、そこに繋がる扉。
校則でいってはいけないことになってたし、鍵は閉まってるしで行こうと思った事もなかった。
でも、桃原くんは鉄の細い棒のようなものを取り出して、鍵穴に差し込み始めた。
藍山ころん
だめだよ!
校則違反!
桃原さとみ
うっさいなぁ
俺、校則とかそういうつまらないものに囚われるのやなんだよね。
桃原さとみ
まぁ、副会長くんが『何故靴は白色って決まってるか』教えてくれたら、諦めようか?
藍山ころん
、、、。
僕は言葉につまった。
だって、何故かわからない・・・・・・・・から。
でもこのままじゃ"yes"の意味になる。
こんなことを考えている間も桃原くんの手は器用に動いている。
もうじき、ドアが開くだろう。
『諦めるしかない。』
本能でそう思った。
藍山ころん
いいよ。
桃原さとみ
は?
藍山ころん
、、、入る。
桃原さとみ
ふふっ。
それは良かった。
藍山ころん
なんで、こんなに簡単に開けれるの?
桃原さとみ
忘れた?
俺、不良だよ?
何回も入ったことあるから。ニコッ
あ、、、
あのときの、、、
女の子を振ったときに見たあの顔だ、、、

かっこいい、、
でも、それはどこか冷たくて、、、
人の奥を見てるような、、、
そんな顔、、、
藍山ころん
そんな顔しないでよ、、、
桃原さとみ
ッ!?
この人はなんなの?

不良なのに不良じゃない、、、
言葉では言い表せないこの感じ、、、

その笑顔で何を隠してるの?
何を見てるの?
何を考えてるの?
藍山ころん
桃原くん。。
桃原さとみ
勝手に妄想して同情すんな。
お前がどんな事を考えてるかなんて想像つくんだよ。
っ?
初めてきつく言われた。
初めて『お前』って言われた。
桃原さとみ
うっせぇなぁ?
ドンッ!
藍山ころん
ふぁ?
壁ドン?
桃原さとみ
ころん。
チュ
今、ころんって、、、呼ん、、、
藍山ころん
ん!?////
藍山ころん
な、何してっ?
桃原さとみ
副会長?
あれ?
また、呼び方戻った、、、?
桃原さとみ
顔真っ赤だよwwww
藍山ころん
あ、ファーストキス、、、
桃原さとみ
あぁー、ごめんね?
違う人の方が良かった?
藍山ころん
そーゆーことじゃ、、、
って、ええ!!?
僕なに言って、、、?
桃原さとみ
ファーストキス奪ったから、一ヶ月間はなにもしないであげるよ。
藍山ころん
え?
桃原さとみ
校則、、、守るっていってんの
意外と責任感あるんだ、、、
桃原さとみ
俺の用はこれだけなんで、、、
くるりと後ろを向いた桃原くんは屋上から出ていった。
鉄の棒を残して。
それは、『入らない』という意味でもあり、僕に閉めろって事なんだろう。
僕は桃原くんの新しい一面を知った気がした。
でも、桃原くんへの謎は深まった。
そして、僕自身にも謎ができてしまった。
『何故キスされたとき嫌じゃなかったんだろう。』
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