第13話

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2020/05/09 22:55
丈一郎 Side




「 なー、あなた。どうしたんや 」




連日続くダンス練習。

みんなどんどんダンスを完成させていく中で、

誰よりも時間がかかってるあなた。




『 なんか覚え悪くなったみたい笑 』


「 なに言ってるねん、俺が教えてあげるから、ほら!

この藤原丈一郎に言ってみ?どこがわからん? 」




『 丈くんその言い方なんかむかつく笑

大吾に教えて貰ってるから間に合ってます~笑 』





死んでも丈くんには教えて貰えへんー!

って笑って、また鏡の前に立つ






痩せた、な。





「 明日の収録 、ファンの皆と楽しもな 」


『 もちろんやん~ 丈くん 、バカなことせんといてよ 』





踊ろ、そう呟いて音楽を流す。







儚い。


薄い。


消えそう。





今のあなたはその言葉がとても似合う。





色白だったのにもっと白くなって、


ひょろひょろだったのがもっとひょろひょろになって


たまにメンバーを見る目が悲しそうで


「 何かあった? 」その一言が、たったその一言が


喉の奥で突っかかって声にならない。








俺、頼りないかな。あなた、

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