第48話

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2020/05/04 01:20





「 おぉ!あなたちゃん!体どう? 」




テレビ局でそう聞かれたけど、だれだっけ、この人




『 おかげさまで…笑 』




「 なんだよ、敬語なんか使って笑笑

少し会わないうちに一気に人見知りになったんか? 」





『 いや…笑 じゃあ準備行ってくる! 』






誰?誰やっけ?



なんの人?どこの人?



どこかのグループ?局の人?







『 だめだ、 』





わからない、思い出せない。



少しずつ確実に割れていく、私の記憶の受け皿。







「 どしたんすか?怖い顔して 」



『 恭平… 』



『 さっき男の人に話しかけられたんやけど、誰かわからんくて 』



「 んー、どんな人っすか? 」



『 えっとねー、 』







あれ、どんな人やった?



さっきどんな人に話しかけられたんやった?




顔は?服は?髪型は?







「 あなたちゃん…? 」





『 ごめん、忘れた 』





「 そうっすか、大丈夫ですよ 」







そういって肩を抱いてくれる。







『 さっきのことやのに… 』




「 大丈夫。また思い出したら言って下さいね? 」







だめやなぁ、




こんな風にメンバーのことも忘れていくと思うと

怖くてしょうがなかった







『 恭平、 』



「 ん? 」



『 私がもし恭平達のこと忘れたら、

その時は…やめさせてな、 』









「 忘れないから大丈夫ですよ 」






そう言ってくれる恭平の瞳は揺れていた。













はっすんによると、さっき声をかけられた人は


なにわ男子がよくお世話になってる雑誌の


インタビュアーさんだったらしい、










大事な人を忘れていく。

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