第10話

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2020/05/09 22:41
駿佑 Side




「 道枝、部屋出とって、 」




慌てて帰ってきた大吾くんは、


俺を部屋から出してドアを閉めた。






何?何なん?





かすかに聞こえてくる


あなたちゃんが大吾くんを呼ぶ声と


大丈夫やで、って慰めるような大吾くんの声





なんで大吾くんなん?なんで?


何にもわからず、


ただ部屋の前で突っ立ってるしかなかった。






どれくらい時間が経ったのかわからない


部屋から大吾くんが出てきて、


俺の手を引いてリビングに座らせた。







「 さっきのこと、誰にも言わんといてや 」


「 なんで?あなたちゃんどうしたんですか? 」


「 なんでもないよ、体調崩してるだけやから 」




そんな風には見えなかったけど


ぽつりと言葉を落とした。





「 道枝、 」






「 おかしい、立ち上がったら急にぼーっとして右手が震えてて

息苦しそうにして倒れたんですよ? 」






「 貧血や 」


「 嘘や、貧血だけやったら

あなたちゃんはわざわざ大吾くん呼ばないです 」


「 、あまり詮索せんといて

気になるんやったら直接聞いてき 」







何隠してるんですか?どうしてそれを隠してるん?



なんで大吾くんは知ってるん

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