第35話

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2020/05/04 01:10
恭平 Side




俺の方に向かってくるあなたちゃんを、

両腕で抱きとめる。





「 何してるんすかあなたちゃん、 」





『 恭平いい匂いする~ 』






ふわふわ、ふわふわ、

前に戻ったみたいな喋り方





最近は何かに追われたように、何かに怯えるみたいに

なんでも急かせかして早口で。





発する言葉にもトゲがあって、弱い俺はそれに傷ついて






「 機嫌直ったんすか?笑 」





『 体が軽いねん笑笑 』






あぁ、右半身の事か






「 ステージパワーですね、きっと 」







気づかないようにしとったけど


きっと体調はずっと良くなくて何かを隠してるのも体の事で


それを問い詰めてどうなる問題でもないから


俺は知らないふりしてたけど







きっと、流星くんが初めに気づいてた


振り入れも、ずーっとあなたちゃんのこと見てて、


覚えが一気に悪くなったあなたちゃんを心配してたけど


機嫌が悪いからそばに行けなくて







俺はそんな流星くんを見て気づいてた








「 無理せんといてくださいね? 」



『 してないよ、 』




「 なんでも言ってくださいよ? 」




『 それはまた後でな、笑 』







ほら、大事なとこはそうやってはぐらかすんやから









『 恭平、好きやで、 』






そう言って俺を抱きしめて







『 いつまでもイケメンでおってや?笑 』





俺の手をぎゅっと握って、また離れて行った。

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