入院生活1日目。
ご飯を持って来てくれた看護師さんの声で起きた。
「 ごはん置いときますね、では失礼します 」
『 ありがとうございます〜 』
機械的なやりとりやなぁ
健康に良さそうなごはん。割と美味しそうやん、
『 あ、 』
ご飯が置かれた机の端っこ。
汚い字で書かれた置き手紙を見つけた。
【 あなたへ。
好きな事して過ごしや!!
夜、年下組が来るから。丈 】
『 丈くん、笑 』
あれ、そういえば昨日誰かと寝た気がするんだけど、
丈くんだっけ、?
忘れた
ご飯食べて、テレビ見て、パソコンで
見たかったドラマとか、映画とか、
溜めてた動画とかみてたらいつのまにかもう日は沈んでて
『 1日って意外と短いねんなー 』
とか思ってたら、
「 あなたちゃんー!! 」って飛んで来た
年下組の皆さん。
「 あいたかったー! 」って
皆甘えたで、謙杜はさっそくカメラ回してるし。笑
『 謙杜、カメラばっかり回してないで
おしゃべりしよや 』
「 これが僕の使命なんで撮ってから喋りますわ! 」
なにそれ、笑
「 ねぇあなたちゃん、
あなたちゃんの歌のパート
僕と流星くんで半分こしていいですか? 」
いいよ、好きにしな?って
犬っぽいみっちーの髪の毛を撫でる。
「 1日目どうでした? 」
ベッドの足元に腰かけてる流星とみっちーを押しのけて、
ベッドサイドに座ってる恭平まで押しのけて
グイッとカメラを持って近づいて来た謙杜
『 ちっか!!笑 』
「 どうでした?? 」
『 んー、映画とかみてたらあっという間! 』
「 そうっすか! 」
それだけかい笑
『 あ、昨日丈くん達いつ帰ったっけ? 』
あ、まただ。この空気。
忘れてる、何か。
『 ごめん…忘れてる、よな? 』
「 あなたちゃん、 」
俯いてた私の頭に、恭平の手が乗る。
『 ん、? 』
「 昨日、丈くんも大吾くんもここに泊まりましたよ? 」
『 あぁ、そっか 』
覚えてない、
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。