流星 Side
「 ちゃう、ここは3 , 4でターンやで? 」
あぁそっか、ってやり直すあなたちゃん。
「 どうしたん?最近間違いすぎー笑 」
『 ごめーん笑 』
どうしたんだろうね、って自嘲気味に笑って
ちょっと休憩、と壁を背もたれにして座った。
「 あなたちゃんさぁ、ご飯食べてる? 」
『 え? 』
「 痩せたよな? 」
『 ダイエット命令やで 』
「 ふーん、 」
マネージャーからのダイエット命令は日常的で
僕も言われるし、大橋くんなんて毎日言われてる。
でも、マネージャーに言われても
最近急に痩せたからもっと食え!って
丈くんがお茶碗いっぱいにごはんを注ぐけど
最近はそれの半分も食べなくなってた
全部食べてたのにな。
『 よし、もいっかいやろかー、 』
足首と首を回して
鏡を見据えたあなたちゃんの目は強い
細い手足を最大限に活かして踊るダンスに
僕は一生勝てないと思う。
僕はダンス習ってたけど、できない所もあって。
そんな時はあなたちゃんに教えて貰った。
あなたちゃんのダンスを5年以上見てきた。
そんなあなたちゃんの異変に、
僕が気づかない訳がなかった
「 なんか隠してる? 」
『 えー?流星何言ってんの?笑 早くするよ 』
あの時問い詰めてれば、何か変わったかな
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。