第87話

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2020/05/04 01:46

丈一郎 Side







無機質な一定の音が病室に響く






それをかき消すように、

俺らの泣き声が、部屋を埋め尽くす。






「 いやや、！！ねぇ、おきて、起きてください！！ 」





みっちーが眠ったあなたの肩を掴んで揺らして

流星がそれを必死で止めて。

謙杜は青い顔をして、ぼーっとただ突っ立ってるだけ





「 あなたちゃん、なんで起きへんの… 」





ポロポロと感情をこぼして、もう空っぽになってた。






大吾は立ってられなくなって、

マネージャーに支えられてぼーっとあなたを見てる






大橋も恭平も俺の隣で声をあげて泣いて。













最後にあなたがかすかに囁いた言葉
















『 だいすき、あいしてる 』













重く、強く、心に響いた。









大好き。

その言葉を忘れてしまうことを恐れて、

毎日口にしていた言葉。




愛してる、なんて普段は

さすがに恥ずかしいって絶対言わなかった






俺たちの事を忘れないまま

きっと僕らのことを覚えたままあなたは空へ旅立った。











【 アオハルしよ 】









彼女が提案してつけられたこのツアー名。






あなたは10年以上ジャニーズにアオハル（青春）を掲げて

幸せなまま空へ旅立った。