大吾 Side
扉の向こうから覗いて見てるの知ってたで。
嬉しそうに笑って、俺達の事見てた
ヘッタクソなダンス踊る丈くんもはっすんも
体いっぱい使って踊る高橋も
あなたの一生のダンス仲間の流星も
力強いダンスをする道枝も
あなたが成長させた謙杜のダンスも
全部全部、きっと
目に焼き付けておきたかったんよな。
スマホのカメラでその様子を撮って
ガラス越しで笑って、入る隙ないやん、って
マネージャーと笑ってた
「 ______ . 」
マネージャーが言った何かに、
笑って頷いて車椅子のブレーキを外した。
どこ行くん、
そう言えればよかったのに
一瞬だけ目があったあなたが
泣きそうな顔で歪んだから、
部屋から出る事もできずにただその方向を眺めてた
「 大吾くん!どこ見てるんすか! 」
長尾に背中を押されて、
6人でできた輪の中に入れられる
なんなんあの顔。
また1人で泣くん
「 忘れよ 」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。