「 あなたちゃーん 」
『 なーに 』
私の部屋に転がり込んできて、
我が物顔でベットを占領するみっちー。
今日は久々オフで、他のみんなは出かけた。
「 ご飯いきましょ! 」
『 やだ 』
「 買い物いきましょ! 」
『 めんどくさい 』
「 ダンス! 」
『 えー 』
ダンスしましょ、ダンス!って私の手を引っ張る。
『 めんどくさい〜 』
そんなふうに言いながらも、
結局はみっちーの力に負けて、立ち上がった。
『 わ、 』
あれ、どうしよ
立ち上がった途端、目が回り出した。
「 あなたちゃん?大丈夫ですか? 」
みっちーに捕まって、ただめまいに耐えるだけ。
足元がぐらついて、視界がどんどん狭くなる。
やばい、と思った時には、
右手が痙攣してきて、左手で隠すように抑えた。
「 ね、、ねぇ!!あなたちゃん!? 」
その声もだんだん遠くなっていく。
息が上がって、うまく酸素が入ってこない。
「 っ、!!電話します!!! 」
『 だ、い、、ご 』
絞り出した言葉はみっちーに届いて、
もしもし、大吾くん!?って
その言葉を聞いて、私はすーっと意識を落とした。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!